また会う日まで ~ DEAR MY DEERS 元気でね!

2008-05-09 02:43:05 | 鹿男あをによし=奈良



 JR奈良駅。2010年の平城京遷都1300年を目標に、急ピッチで高架化工事が行われている。右端の寺院風の建物は、2003年まで使われていた駅舎。駅の高架化に伴い取り壊される筈だったが、反対運動が実を結んで保存されることになった。同時進行で駅周辺の再開発も進み、高層マンションが建ち始めている。取り返しがつかないくらい景観が破壊されてしまった京都の二の舞にならないように・・・



 春日大社をお参りして、この日二度目の東大寺南大門前に歩き着いたのが15時35分。南大門に最も近い森奈良漬店で、シンプル極まりない奈良漬と、奈良限定「鹿のふん チョコクッキー」(大粒のチョコチップが入ったクッキー。新幹線の中で食べたら普通においしかった)をお土産に買い、鹿たちにはせんべいを配り、自分はみたらし団子を片手に持って、むしゃむしゃ食べつつ別れを告げました。
 近鉄奈良駅の改札前コインロッカーから荷物を引き出し、16時16分発の急行京都行に乗りこみました。西日を浴びてさん然と輝く朱雀門を右から左へ見送りながら、「必ず、またここへ戻ってこよう」と自分に言い聞かせました。
 ドラマの中では、朱雀門を通り過ぎる前にトンネルを通過し、小川先生はトンネルの中で窓ガラスに映った自分の顔を見て、鹿の顔からニンゲンに戻ったことに気づくのですが、朱雀門までにトンネルは存在せず、近鉄奈良駅を出発したかと思うまもなく朱雀門を通り過ぎてしまいます(近鉄奈良→新大宮→(朱雀門)→西大寺)。その先、一ヶ所だけ短いトンネルがあったような気がしますが、よく覚えていません。



 小説だと、近鉄奈良駅のホームで交わされた場面が幕引きになるのですが、堀田イトが現れるのは京都駅で、例の素晴らしいシーン(映画『セーラー服と機関銃』のファーストキスを彷彿とさせる名場面)は、新幹線「のぞみ」のデッキ上で演じられました。赤点の答案用紙の裏に綴られた手紙の最後に、プリクラ写真が貼られてあり、二人ともニンゲンの顔で写っていることに気づいた「俺」が、「耳がジンとしたので」ハッと顔を上げたら、新幹線がトンネル内を走行していて、窓ガラスに映った自分の顔を確認したところで物語が終わります。ちなみに、イトちゃんに「印し」の消し方を教えるのは、「俺」のことを気に入ってくれたネズミのばあさんです。



 ドラマでは、小川先生が朱雀門を電車で通り過ぎる際(朱雀門には赤と白のツートンに塗られた各駅停車が良く似合う)鹿が見送りに来ていて、その姿に気づいた先生は奈良で過ごした一ヶ月間を走馬灯のように思い浮かべるのですが、私もまた瞬きする間に三日間の出来事を思い出していました。
 今日ようやく、(馬)鹿男の「あをによし奈良旅行」の記事もUPできましたし、小説も読み終わりました。藤原君を改変したことで、表面上は大きく変わりましたが、小説の中の藤原君は若年寄とも呼ばれている無色透明な人なので、それほど違和感を感じませんでした。ドラマから先に入ったのも幸いしたのかもしれません。そのドラマの中でも、「かりんとうとラブラブ」になることで原作を台無しにしてしまわないよう配慮していたので、良しとしましょう。最終回の若草山のシーンや、東京での再会シーンは玉木&綾瀬ファンへのオマケみたいなもので、堀田イトが血相変えてホームに駆けてくるシーンに集約されていましたから。
 「『鹿男あをによし』の小説&ドラマがなくても、(馬)鹿男は「あをによし」奈良旅行に出かけただろうか?」と考えると、感慨深いものがあります。どんな場所にも、どの時代にも思い出があるけれど、奈良ほど楽しくてなおかつ落ち着く場所はないかもしれません。また会うその日まで、皆元気でね~♪


     

 最終日の朝の散歩。大人の鹿たちが寝ぼけ眼のうちに、子鹿のバンビに「鹿せんべい」を手渡す。もらってくれたよ、嬉しいなあ~♪
(せんべいを束ねている白い帯は、捨てないでそのまま鹿に与えるよう、帯に但し書きされています)


     

      

 奈良漬の袋に顔を突っこむ、鼻をこすりつける、鞄をカミカミする、お辞儀する鹿たちは、本当に可愛かった。それにしても、SONYのカメラをCANONのカメラバックに入れて持ち歩くなんて・・・




「また会う日まで、元気でね~」「ぴい~」


 春日大社のお土産=「鹿おみくじ」(小吉でした)「勾玉お守り」(やっぱり勾玉)「こども守」。そして、ドラマと同じようにあっさり&爽やかだった原作の『鹿男あをによし』。藤原君は、原作でも気分転換に「俺」を飛鳥に連れ出し、自分と同じルートで飛鳥をまわっていました。次回は黒塚古墳まで足を延ばしましょう~♪