LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

9月名古屋ミーティング報告

2023年09月06日 | Weblog

2023年9月4日(月)いなべ市役所 シビックコア棟研修室

 

トランスジェンダー当事者 4名

トランスジェンダーの子を持つ親 5名

Xジェンダー当事者 2名

同性愛当事者 1名

同性愛の子の親 2名

医師 1名              計 15名

 

今回のミーティングは、自己紹介をした後、「当事者チーム」と「家族チーム」に分かれて交流しました。

 

【家族チーム】

中一FTM?の母:子どもがいじめにあってるわけではないが、「なんで、女やのに男みたいな髪型なの?」とか、「なんで、男なのにスカートはいてるの?」と聞かれて学校に行けなくなっている。入学前に制服のズボンかスカートどちらにするか迷ったが、スカートにしてしまった。「死にたい」と言うようになった。

 

20歳MTFの母:性別変更戸籍変更氏名変更済だが、ホルモンの副作用?で体調いいときが2週間くらいしかなく、働く気持ちがわかない、発達特性がグレーゾーンでできることが少ないと思う。

→発達特性がある子どもは、天才を育てていると思うといい、今やりたいことを見つけている途中、見つかると、放っておいてもしてしまう。

 

大学2年生FTMの母:8月30日の渡部さん浦狩さんの中日新聞をみた。相談できる場所があることを知った。子どもが大学生の間に性別変更したいと、ジェンダー外来に通っている。手術やホルモン治療のことを、藤田医師や、経験者に相談したかった。相談して、気持ちが楽になった。

 

20歳MTFの母:ホルモン治療だけしているが、理想の女性になれず、外に出られない。子どもは怖がりで手術はできなくて葛藤している。近くで悩んでいる子を見るのがつらい。が、11月にメイクの講習があるのを聞いて、子どもに話したら、「動かないと何も進まない」と意を決して、藤田医師に会ってみると、子どもが決断した。

 

20歳MTFの父:子どもが、自分から、動きだしている。見守るだけ。笑顔を見れるだけでいい。自分から、動き出すと驚くほど、進むのが早い。

 

 

【当事者チーム】

※今回は、話し合いたい内容やテーマを紙に書き、くじのように引いた紙に書かれたことについて意見交流をするという形で進めました。

 

◆困ったことがあった時、まず最初に何をしますか。

→人に言う。

→頭を整理するのに山に登る。寝てたらずっと考えてしまうので、人がいないところで整理する。

→例えばネットとかで調べて解決できることもある。それ以外で困った時は家族や職場、友だちなどに話す。

→いろんな友だちに相談するか、友だちでも解決しないことだったら1人で抱え込む。

→まずは自分で考える。行き詰ったら人に話す。でも、昔は自分でなるべく解決したい人だった。悩みを話すのが嫌だった。

→会社にいた時は同僚に毒を吐いてた。言いたいこと言ってすっきりしていた。ノートに書いて整理するのもいい。

 

◆今あなたのまわりの方に変化を感じますか。(LGBTのことに関して)

→カミングアウト後、自分からLGBTの話を全くしなかった母親が、私がLGBTの記事で掲載されているのを朝一発見して家族のLINEに記事の写真とともに「〇〇載ってたよ」と送ってくれた。

→お姉ちゃんにカミングアウトした当初は、「なんでそうなったん?」「父親の生き方が嫌いで、男性として生きるのが嫌でそうなったの?」と泣かれた。でも今は、普通にお姉ちゃんの友だちとか近所の人に「自分の弟がこうで…」とか言ってくれてる。

→この年代になると親は80代とか。お母さんは最初はびっくりしていたし受け入れてもらえなかった。でも、お母さんが病気した時に献身的にお世話した。それ以降はそれに関して否定的に言わなくなった。兄の理解はなかなか得られなかったがそのパートナーは理解がある。甥っ子にLGBT当事者がいるなど、最近はけっこう身近にいるという人も多い。

→親は、LGBTのイベントに参加してくれたり勉強してくれる。

→会社では男子ロッカーを使いながらも、ガウチョパンツがスカートに、カッターシャツが丸襟にと少しずつ移行していく中で、他の部署の人たちも意外と見てくれていた。普段かかわってない人とかもけっこう見てくれていた。

→家族の中で言えば、父親とは直接話したことはなく、母通して話してもらっている状態。先日、LGBTの講演会に、父親も祖父も来てくれた。しばらくして実家ぶ帰った時に、目も合わせないで、「この前の講演よかったぞ。」と言ってくれた。誰に言っているか分からなくて、「ん?」と聞き返すと、また、「この前の講演よかったぞ。」と言ってくれた。カミングアウトした時からいろんな段階を経て、父親がどうとらえてるか分からなかったが、そんな風に言ってくれてうれしかった。

→2人の友だちと一緒にいる時に、「女だけど女の子を好きになるんだ」って言ったら、「別にいいんじゃない」と言ってくれた。

 

◆今一番興味があることは?

→1人旅。名前も知らない、「お前だれだよ」という中で自分を解放できる。できれば海外の方がいい。日本だけじゃない価値観がある。言葉が分からない弊害がちょうどよい。

→将来、LGBTの人とかが住めるグループホームを作りたい。そのための資格やつながりをつくっているところ。同性パートナーの人とかも家とか入りにくいという現状がある中で、パイプを作りたい。

→1番興味があるのは犬。子どもがいないからもちろん孫もいない。そういう楽しみや生きがいがない。今飼ってる犬がすごくかわいくて。自分のわが子ぐらい。親ってこういう気持ちなんかなと思う。

→今バイトで稼いでるのは、関東の方で1人ぐらしをするため。2年ぐらいでお金を貯めてしたいと思う。バイトは接客をしてる。

 

◆不登校で学校に行くタイミングが分からない

→行きたいと思えば行けばいいし、まわりも行けるようにサポートしたいと思うけど、もししんどい思いがあるのであれば休むのもいい。しんどい間は家でゆっくりするのも、フリースクールや学校以外の居場所で過ごして力ためるのもいいと思う。

→別のコミュニティでも不登校の子がいる。先生が、クラスの生徒を成績上げるとか、進学とかで自分の評価を上げようとしているのが見え見えだからだそう。私も早期退職して家にいる時間が長いけど、自分でルールだけは決めている。起きて脳が空っぽの状態で3,40分勉強し、脳が起動してきたら…など、家にいるなりに自分の目標もってやったり、趣味をしたり、自分のノルマを決めたりするといいと思う。

→中学校の親友は、病気で生きるか死ぬかという状況を経験した。いろんな人から仕事やめたい、大学中退するかも…などの相談を受けている。そこでは、「ええんちゃう、死ぬよりましやで。」と言う。「おれは死の淵をさまよってたから。」と。生きていればいいと思う。

→私も、死ぬか仕事を辞めるかという選択に迫られた経験がある。「〇〇の仕事を辞めるなんてありえない。」と思って生きてきたけど、「死ぬよりは仕事辞める方がまし。」と思い、辞めた。そうしたら人生なるようになった。休むこと、辞めることは全然悪いことでない。

→自分は中学校の時に不登校になった。そこで、学校の先生が通信制高校があることを教えてくれて、そこに進路を決めて行った。無事卒業できた。

→中学校は義務教育で、行かなければならない中で休んでしまっていると自分を責めてしまうお子さんや親御さんが多いけど、それは社会の不登校に対する偏見や学校へ行くのがあたり前という風潮が作っていて、その子や親御さんは何も悪くない。通信制高校などは、毎日行かなければならないというものではないから、行かなければならないけど休んでいるという意識をもたなくてよいから楽になるかも。

 

◆その他

【同性愛はカミングアウトをしなければならない場面はない?】

→異性愛前提で会話が繰り広げられる。その中で、「実は恋愛対象女性なんだよね。」と隠さざるを得なくなる。うそをつかなくなくてよくなるから話す。

 

【戸籍の性別変更について】

→戸籍の性別を変えるには、生殖機能を取らなければならない。つまり手術が必須。でも、50代で女性から男性に移行を望んでいて、胸だけとって、閉経している場合。生理が止まっていて使い物にならない状態だからいいですよと、子宮卵巣を取らずに変更できた人がいる。

 

次回10月2日(月)


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