LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

4月東京ミーティング(4月7日)レポート

2019年04月20日 | Weblog

カミングアウト~価値観の揺らぎに戸惑うか、乗り越えるか

   今回のミーテイング会場は渋谷。親・家族8名、当事者8名という陣容。

 初参加の親御さんからも当事者さんからも、テーマはカミングアウト。

 

 つなぐ会に参加される親御さんには拒否型はいません。混乱はしていてもなんとか理解したい、受け入れたいという方が殆どです。けれども、頭では理解していても感情がついていかない。そりゃそうです、突然カミングアウトされて、「あ、そうなのね」というわけにはいかないでしょう。たまに、受け入れてから理解するというレアタイプの親もいますが・・・

 で、何故なかなか受容できないか、といえば、まずは知識がない。中高年の親世代はセクシュアルマイノリティについて学んだことがありません。また、身の周りにいないからよくわからない。実際はいるんですが、皆さん隠して暮らしているから見えない存在となっているので想像することができない。親自身に偏見があればなおのこと、他人の目が気になりますから考えたくもないことです。

 私が子どものカミングアウトが信じられなかったのは、子どもの性別を信じて疑わなかったから。特に幼少期の成育状況が生まれた性別に合致しており疑う余地がなかった。

 そういう子が思春期を通って性別違和を訴えてくると、親はかつての幼少期の女の子らしさ、あるいは男の子らしさは何だったの?と混乱します。育ててきた手応えがあればあるほど、思い出が邪魔をして子どもの言うことが信じられない。勘違いじゃないかとすら思う。しかも親の期待が大きく、その期待通りに成長してきた子どもが、ある日突然カミングアウトしたら、親の驚愕はとてつもない。その衝撃はわからないではないけれども、そこで一歩立ち止まって子どもの側に立ってみてほしいと思うのです。自分がどうやら他人とは違う性指向なり性自認を持っていると気が付いた時の驚き、戸惑い、そして社会に根強く残っている偏見、差別の中で生きていかなければならないことへの恐怖は耐え難いほどでしょう。それをずーっと押し殺して、周りに気づかれないように我慢してきたのです。それが限界に達してカミングアウトするに至った子どもの勇気を、まず受け止めてほしいのです。そして子どもへの愛情を盾に、偏見を克服していってほしい。

 カミングアウトは、当人にとって一大決心ですが、親にとっては人生のターニングポイント、従来の価値観が揺さぶられる時です。この重大な事件に真正面から向き合って新しい価値観を掴むことができたら、目の前の世界は今までと違う様相を呈するでしょう。見えなかったものが見え、当たり前だと思っていたことが単なる思い込みに過ぎないことを知る。こうして常識や世間体に縛られないで生きる人生の扉を開くか、閉じてしまうのか?

 さて子どもたち‼ カミングアウトをして親に重荷を背負わせてしまったと嘆く必要はありません。子どもは自分の幸せを追求しましょう。子どもが幸せになって喜ばない親なんてありえない。常識に囚われているだけ。常識の閂が開けられる日を待ちましょう。

 

 自分に正直に生きられる場が、家庭から学校、職場、社会へと拡がっていくことを、願ってやみません。             

 M

 


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