フェアリーフライ

毎日テレビを見て、ときどき感想を書いています。

アフリカ

2006年01月06日 | テレビ
『紳助の世界オドロキ人間GP2006』
1月2日(月)18:00-21:00 日本テレビ

紳助「世界一のスポーツの祭典がオリンピックならば、ビックリ人間の世界一の祭典が境オドロキ人間グランプリです」

◆世界一唇が大きい人々
N「アフリカの奥地に、『ムルシ族』という唇が大きい人々がいるという。これはぜひとも日本に呼びたい。そこで直接アフリカに赴き、スタジオ出演の交渉をすることに。日本からおよそ4000キロ離れた東アフリカ、エチオピア。この地に降り立った人物、それは」

<有吉弘行>

有吉「遠いわー」

N「『進め!電波少年』の大ヒットコーナーだった『ユーラシア大陸横断ヒッチハイク』。10年前、有吉はこの無謀ともいえる企画を見事成功させた。そんな彼なら、アフリカの奥地に住んでいる唇が大きい人々を日本に連れて来てくれるに違いない。日本から飛行機で1日移動。2日目はアフリカの大地を車で走る。その道中では牛と出会い、こんなに大きな川も渡った。奥地に入ると当然ホテルは無い。この日はテントで宿泊。日本を離れて4日目、そのころにはもう有吉はぐったりしていた。そしてついに世界一唇が大きい人々、ムルシ族がいるという村へとやって来た」

有吉「あー、いた。いたいた!」

N「さっそくムルシ族を発見!」

有吉「こんにちは、はじめまして」

N「このかたがたがムルシ族。唇が大きいのは皆女性である。女性は下唇に穴をあけ、『テプディー』と呼ばれる粘土のプレートを入れる独特の習慣を持つ。このテプディーの大きさが、大きいほど美人だと言われている。ムルシ族は、イバラの小枝を組み合わせた小さな家で生活を送っている。主食は、モロコシの実や大豆をすった粉にミルクを混ぜた『ティラ』と呼ばれる食べ物。有吉は女性に気に入られようと、お土産を渡すことに。それは」

有吉「あのー、口紅。お化粧道具なんですけど」

N「口紅に興味を示すムルシ族の女性たち。彼女たちは唇と同じように耳にもプレートを入れる習慣を持つ。この口紅には女性たちも喜んでくれたようだ」

有吉「いいよー」

女性「こんなものがあるとは知らなかったわ」

N「ここで本題のスタジオ出演のことを訊くと、村長の許可なしではできないとのこと。そこで」

有吉「村長、村長ですか」(握手して、お互い何度もお辞儀)

<村長 ビドンギア>

有吉「有吉です。アチャリアチャリアチャリ」

N「とっても物腰が低い村長。さっそく村長に女性たちのスタジオ出演の件を伝えると、きょうの会議で話し合ってみてくれるという。ムルシ族の村では男たちの会議によってすべてが決定されるのだ」

村長「みんなちょっと聞いてくれ。わがムルシ族の女を日本という国に連れて行きたい男が現れた。そこでみんなの意見を聞かせてくれ」
村民「そんなどこかもわからない国に行ったら、帰って来れなくなるんじゃないのか」

N「その後も意見が飛び交う中、会議は2時間にも及んだ。会議の結果、村長が出した答えとは!?」

村長「(有吉と握手しながら)君たちの国に行かせることにするよ。ただし私も日本に行ってみたいから、ついて行くからな」
(男たちはみな片手に細長い棒を杖のように持っています。このときは有吉さんも同じように片手に棒を持って、ずっと握手です)

N「ムルシ族の女性が来日決定! しかし、なぜ村長まで?」

有吉「じゃあ日本で待ってます」

N「このあとスタジオにムルシ族の女性が登場」


というわけでムルシ族御一行様来日と相成ります。有吉さんの出番はここまで。では、私の感想をいくつか。

◇電波少年
有吉さんの登場シーン。アフリカの空港に降り立った有吉さんの出で立ちが、ヒッチハイクのロンドンゴールシーンのときの衣裳です。いまでも、たまにテレビで流される映像で、おなじみです。ゴールして10年間ずっとこの格好でいたわけではないことは言うまでもありません。体格よくなってます。オーバーオールが全然ダボついていません。リュックサックじゃなくて、右手でキャスター付きの荷物をガラガラ引き、左手に「唇の大きな人」のカラー写真のボードを持っています。

服の胸に『猿岩石』の大きな文字。作り手の思い入れからか、『有吉』ではなく、『猿岩石』。やはり困難な旅をするのは『猿岩石』なのでしょう。そういえばナレーションも、ちょっと木村匡也ふうです。

ヒッチハイク当時はずいぶんハラハラドキドキしたものです。どんどん無謀に進んで行く無茶なとことか、見ず知らずの現地の人との交流がほのぼのとしていたり、「猿岩石日記」の無類の面白さとか、有吉さんの魅力がいっぱい、すでにそこにあったのだと思い返しました。

◇世界オドロキ人間
なんというか「異形」の人々です。第一印象では、感情移入とか親近感といったものをはるかに超えた存在です。生まれついてのものもありますが、人為的に作られたものもあって、文化の相違に衝撃が大きいです。

「唇が大きい」と聞くと、まずタラコ唇ぐらいしか思い浮かびませんが、ムルシ族の場合、私の想像の及ばない形成のされかたが日常です。ずっとそこにいれば、そのことがそこでは当たり前のことと感じられるようになるのかもしれません。はるかアフリカの大草原は別世界です。大自然が果てしないように、世界の国々の価値観も果てしがない。思いがけない方向から感覚をゆさぶられました。驚異の人々を知ることができました。