奇跡の一本松。
通過した大船渡は、
釜石同様、港の機能から建て直していた。
しかし、
ここ陸前高田は、何も無い。
辛うじて、瓦礫の撤去は終わったのだろうが、
その先は、まだ、という感じだ。
時折、ダンプカーが往来するが、
町の立て直しには、他の町とは差がある様だ。
私同様、
奇跡の一本松を一目見ようと観光客が押し寄せていた。
駐車場も設置され、
誘導する係員も数名居る。
観光バスも入っている。
仮設のお土産屋も出店している。
こういう所でお金を落とすのが、
我々外から来た人間のすべき事だろう。
一本松は、
静かに、雄々しく立っていた。
力強さが、伝わってくる。
すぐ傍にある建物は、
損壊したままだ。
津波の凄まじさを物語る。
蓬莱島。
ひょっこりひょうたん島のモデルだ。
案内板も標識も無いんで、
地形・景色を頼りに探した。
遠くに見つけたんだが、辿り着けない。
海岸線や道路が破壊されたままだ。
崩れたアスファルトや砂利道を経て、
ようやく傍まで来れた。
島までの連絡路は当然通行禁止。
立ち入り禁止の看板の内側では、
地元の方々だろうか、釣りをしている。
砂利を敷き詰めたこの場所には、
重機が入っており、工事中の様だ。
造り直されたであろう船着き場で、
漁師の方が網の手入れをしている。
大槌町中心地であった場所を通過。
仮設の商店や食堂、簡易ガソリンスタンドやJVの詰所など、
人が集まっている。
大型のショッピングセンターやコンビニは完全復活している。
しかしながら、
宮古手前の田老町同様、民家は無い。
民家があったと思われる区画には、花が供えられている。
海岸に近い区域には重機が入り、工事が始まるのだろう。
手付かずの蓬莱島同様、
先ずは湾岸整備からだろう。
この後通過した釜石はかなり復興している。
震災ふた月後、仕事で訪れた区域が、
すっかり風景が変わっていた。
あの時は、
高さ20m以上もあろう大型倉庫の屋根が、
ぺしゃんこになっていた。
ガソリンスタンドの高い屋根が、
お辞儀をする様に倒れていた。
同じ場所を探したら、
倉庫は立派に建て直されており、
ガソリンスタンドも建て直され、
真新しく塗り直された精油メーカーの壁が、
まぶしく光っている。
港には、
もの凄く大きなタンカーが入港していた。
こんな大きな船を見るのは生まれて初めてだ。
思わず、声が出る。
港の機能は戻りつつある。
いよいよ出発。
往路は500kmの下道なんで、
5時に出る。
東八甲田→南郷→大野→久慈
体力のあるうちに時間と距離を稼ごうと、
なるだけ信号の無いコースを。
久慈からはいよいよ45号を南下。
復活した宮古の道の駅。
元の建物を改装した様だ。
予算と手が回らないのだろう、
チョッとスカスカしてる。
パンと缶コーヒーで朝食。
さあ、
ここからは寄り道が多くなる。
ゆっくり行こうか。
午前中、お客様からTEL。
戦慄が走る。
やめてくれ、
事故・故障なんて・・・・・
新しいバイクを買った自慢だった。
ヨシヨシ・・・
原チャリで出掛ける。
当ては無い。
県立美術館、行ってみた。
本日のお品書きを確認。
然程、観たいと思わなかった。
折角、
ここまで来たんで、
場内のベンチで和む。
日陰に陣取り、うつらうつら・・・・・
結構、いい場所だ。
件のお客さを訪問。
結構気になっていたビックスクーターだ。
エライ速いらしい。
2時間ほど話を。
さ、
明日の準備だ。
つうても、
ガソリン詰める位だが。
空気圧も高速仕様に。
まあ、
下道なんだけど。
さあ、
明日は早起きだ。
順次、画像やつぶやきはUPの予定。
帰宅後、追記。
見てきますよ。
久渡寺に向かう。
幽霊の絵といったら、この寺だ。
何の因果か、
ギャラリーから一本道だ。
今年は石段に縁がある。
登らねばならぬ運命を感じる。
段差が、ある。
見た目より、急だ。
しかも、
整備が行き届いているかというと、そうでもない。
あ、脚が・・・・
ここまで。
バリケードがあって、境内には入れない。
まあ、いいか。
この後入ったコンビニで、
足が笑って大変だったんだって。
弘前は樹木、ギャラリー森山を目指した。
そう、「ゆうれい展」だ。
民家を改造した小さなギャラリーだ。
色んな幽霊の掛け軸が並んでいるが、
お目当ては、
以前TV番組で閉じている目が開いた掛け軸だ。
ずっと見ていた。
今にも、目が開きそうだった。
だが、
最後まで開いてくれなかった。
どうやら、
幽霊にまでも好かれていないらしい。
デカいバイクで遠くに行くのもツーリングだが、
小さなバイクで隣町を越えてみるのも、ツーリング。
原チャリに跨り弘前を目指す。
空港道路に差し掛かりそうになったとき、
大谷のあの抜け道だ、
孫内に向かう道がある。
先日、
鶴ヶ坂に住んでる社員に普通に抜けれると聞いた。
今を溯る事20年近く前、
このルートを通って孫内に行った事があった。
当時は、獣道。
草木を掻き分け、
アップダウンにクルマの下をヒットしながら進んだモンだ。
発作的にそちらにバンク。
なんて走り易い道だ。
いや、
随分と、無駄な道だ。
一日、どれだけの往来があるんだ?
集落が見えてきた。
さて、
記憶を辿ろう。
確か、バスの回転所があった様な・・・・・
月日は景色を変える・・・・・
暫し、迷う。
思い出せ!
そう、バスだ。
バス停が有る筈だ!
ようやく旧道に出る。
こんな気ままなツーリングも、原チャリならでは。
気分は、10代。
一瞬バイパスに出たが、直ぐに浪岡の旧道に。
殺気立ったクルマを避けて行きたい訳よ。
そっから、
あっちこっち回りながら、
目的地に着く頃には、
随分と時間が掛かってた。
郵便局から呼び出しがあった。
塩漬けにしてた定期貯金があったんだが、
この何年かの間に金利が急落。
定額貯金にした方が良いのだと。
変わったね。
流石、民間企業。
手続きの間、傍にあったパンフなんか眺めてた、
と、
寺山修司の特別展をやってる。
場所が、
青森県近代文学館。
どこだ?
住所を見るに、刑務所の辺り。
ああ、
図書館の並び、
両方とも行った事ないけど。
寺山修司の本なんか一冊も読んだ事は無い。
が、
寺山修司記念館なんか、
何度も足を運んでいる。
県立美術館でやった特別展も行ったっけ。
何となく、
好きなんだな。
あの世界観が。
日常に潜む、狂気。
で、
行ってみた。
ふむ、
小さい催しながらも、
来場者が殆ど居ないため、
ゆっくりと楽しめた。
結構、
発見もあった。
ああ、
折角の休みだ。
美術館なんかも行ってみようか。
amazonで頼んでた商品が来ない。
アカウントサービスで追跡すると・・・・・・
昨日の午前中に配達済みになっている。
取り敢えずクロネコヤ○トのコールセンターにTEL。
少々お時間を頂きます、
と言ったきり2時間以上放置。
業を煮やして再度TEL。
違う担当者だったが、名前を聞いておく。
これで多少、対応が違うだろう。
が、
一時間放置。
どうしてやろうかと思っていたら、
ようやく青森の集配センターからTEL。
どうやら(つうか、当然ながら)誤送だ。
「○×△の辺りのお宅でしょうか?」
「違います。」
「・・・え~と、地図で行きますと・・・・」
「ゼンリンの住宅地図、見てる?」
「はい。」
「じゃあ、その場所から道路を挟んで・・・・・(途中割愛)
そこに市民館か神社、ない?」
「神社はあります。セキイシジンジャですか?」
「赤石(あかいし)神社ね。そこから下に道、無い?」
「○○さんですか?」
「私の苗字とまるで違うでしょ。」
「じゃあ、××さん・・・・」
「ふざけてんの。神社から下向きに道路が分岐してるでしょ。」
「・・・・・・・・・。分岐って、なんですか?」
届かない訳だ。
これがヤ○トクオリティ。
場所に届けるんじゃなくて、人に届けるんだよ。
短い夏がやってきた。
暑くなれば、暑くなるほど、
涼しくなった時の寂しさがいっそう増すが。
我が家の向日葵。
今年は、100本位だろうか。
咲き始め、だ。
虫の声が、耳を塞ぐ。
他の音が一瞬聞こえなくなる。
頭の中が静寂に包まれる。
風に揺れながら、
私を見下ろす向日葵。
ゆらゆらと、
私を見下ろす。
ふと思い出す。
ずうっと昔も、
こうして見上げていた様な。
すうっと、
意識が、
向日葵に吸い込まれてゆく。
ゆらゆらと、
この年老いた少年を、
何処に連れて行こうというのか。
ゆらゆらと、
あの頃に、
連れて行こうというのか。