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夢の羅列<紙の名前>

2016-04-19 18:59:35 | Dreams
夢の羅列<紙の名前>


つづき。

敷居と廊下の床との段差にゴミが溜まっている。

旅館業を営んでいるのに、なんだか汚いな、と私は思ったが、
そこは夢の中のこと、怒るような気にもならず、それよりも、
なぜか、ゴミの内容に目がいった。

「なんだ、これは」

ゴミというよりも紙屑といったほうがいいだろう。
白い紙を小さく千切った切れ端に、ひとつずつ印が押してあるのだ。

印はどれも三文判のようで、ざっと見たところ4,5十枚はあるだろうか。
みな違う名前が押してあるようだった。
それが敷居のあたりにゴミのように散らかしてあるのだ。

何のために。

それが素直な疑問であった。

呪いか。

それとも詐欺か何かの準備品か、もしくはすでに使われたものだろうか。

私は薄暗い夢の中の廊下にしゃがんだまま、
目の前に散った紙片の意味に思考を絞ろうと集中した。

その時、背後で微かな物音と人の気配がした。

つづく。
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