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冬の情景

2016-01-28 19:56:08 | Diary
道を歩いていたら、

大きな寺の横道につづく墓地の壁から
ちょいちょいのぞく卒塔婆を見ながら
歩いていたら、

口笛が聞こえてきた。

前から歩いてくるのは女性だった。

ジロジロは見ないのだけれど、
ほんの気配を察する程度に見たら、
25から35歳くらいだろうか。

最近、人の年齢がよくわからない。

グレーの地味なコートの地味な彼女は、
口笛を吹き吹きやってきた。

私にしても冬の枯れ葉のごとくにヨレきって、
気配がないというより、存在すらも薄くなっていたのか、
彼女にしてみたら路傍の地蔵くらいにしか感じなかったのだろう、
すれ違うときにもそのノリノリのメロディを一旦停止しなかった。

トロイカ。

冬らしくていいね。

それにしても口笛の女性も珍しいが、
トロイカとはなかなか通だな。

私は賛美歌も好きだが、
スラブ、ロシア民謡も同じくらいに好きだから、
すれ違いざまにとても嬉しいものがあった。

実は私も口笛は得意なので、
一瞬ハモろうかとも思ったが、
地蔵の口笛では驚かすだけなので、やめた。

しかし彼女とすれ違って少ししたら自然と
私もトロイカを吹いていた。
伝染ったか。

もしかするとあの地味な彼女も、
どこかでトロイカに罹ってきたのではないか。

♩雪の白樺並木
 夕日が映える
 走れトロイカ
 ほがらかに
 鈴の音高く

シンプルで格調高く、いい詞だ。
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