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20231108 映画「ともしび」感想など

2023-11-08 16:43:55 | 映画
20231108
本日は更新のための画像も気力もないため、
だいぶ前に下書きした文章にて失礼いたします。

以下は0230611に書いた文章です。


数日前の夜、さあこれから寝ようとしてから急に
何か重苦しい映画が観たくなり、あれこれ迷って選んだのが「ともしび」。

監督脚本アンドレア・パラオロ 。
主演は、フランス人女優シャーロット・ランプリング。

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じっくり選んだ甲斐があり、これは重苦しかった。
その重さが先日ここに紹介した映画「サラの鍵」のように最初からはっきりと感じる重量ではなく、淡く静かに忍び寄ってくる湿度のような重さで、いつの間にか主役の心と身体は鎖に囚われてしまうのだ。

───静かに暮らす老夫婦に突如起こった問題により残された妻の生活と心が徐々に閉ざされていく。それを打ち破る気力も体力もそれほど残っていない老いた女にとってもう頼れる人も場所もなく、ふと辿り着いた誰もいない海岸に彼女は何を見るのか。───

などと書いても、実は私は眠かったので、全体的によくわからなかった。

先日新宿に観に行った映画「すべてうまくいきますように」でこのシャーロット・ランプリングはほんの少しだけの出番だったにもかかわらず、その僅かな映像に消しても消せない存在感を示していたが、この「ともしび」ではカメラが最初から最後まで彼女を追い続ける。この映画はそのストーリーやテーマ以前に、シャルロット・ランプリングの「老い」を徹底的に見る作品である。


ベルギー。地方都市の片隅で質素に暮らす老夫婦がいる。

────ある日、夫が過去の罪で警察に連行され逮捕収監されてしまう。
罪状は作品中では最後まで明確にされない。

妻のアンナはそれでも日常を変わらずに、演劇サークルへ参加したり、プールで泳いだりと過ごしていく。

※ここの理解は我々日本人には難しいのではないか。
日本人の老夫婦なら、もし夫が逮捕収監されたら、妻はそれまでと同じように暮らせるだろうか。それは世間的にも自己的にも。

アンナは刑務所へしばしば面会に行くが、夫の顔色は冴えない。

日常のルーティンに夫との面会が増えただけで、それほど以前と変らない暮らしをしていたアンナだったが、徐々にその影響が忍び寄ってくる。

自宅に独りでいると、近所の子供の母親が怒鳴り込んでくる。
アンナは居留守を使い応対しないが、その女はドアの外で罵り続ける。

そしてプールの会員証がクレジットの問題で使えなくなる。

またある日、孫の男の子の誕生日にアンナが菓子を作って訪ねた時、出てきた自分の息子に強烈に拒絶され追い返されてしまう。

このように我々視聴者には、続けざまに起こる不安な出来事の原因である夫の罪状やアンナの苦悩の芯が明かされないままカメラはアンナだけを追い続ける。

アンナ(シャーロット・ランプリング)は70歳くらいである。
顔も身体も年相応に見え、プールでは着替えるシーンもあり、隠すことなく老いた裸体も映し出される。

結局のところ、この映画は何を描いたのかと考えると、「老い」そして「急落」「閉じてゆく世界」その中で人は何を感じるのか、そんなことではないか。予告編でアナウンスされる「自己再生」のような意味はよくわからなかった。それにニューヨークタイムズの「奥底に宿る鋼のような意志に心震える」というレビューにも素直に頷けなかった。

上に書いたように私は眠い目で観たので理解が浅いかもしれない。しかし考えすぎると重いから、いっそシャーロット・ランプリングを鑑賞する映画だと言い切っていいかもしれない。詩的な映像の中で追い詰められていく老いたシャーロットの血の気のない表情や静物画のような印象を私たちは見て何を思うのだろうか。

この映画は本に例えるなら「詩的な小説」なので、一応のストーリーはあるが明確な結論はなく、視聴者の想像と思想を足して様々な解釈をすればいいのではないか。いや、むしろ何も考えず頭の中を空っぽにして字幕も見ずに、シャーロット・ランプリングの表情と仕草だけをボーっと見ていることが何よりも答えに近づけるかもしれない。


E V O L U C I O


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