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夢の羅列<布団の苦悶>

2016-04-14 18:03:17 | Dreams
夢の羅列<布団の苦悶>


つづき。

4階は大広間だった。

電灯は全部ではないが、いくつかが点いていて、暗くはなかった。

広間は畳だけが広がっていて、他には何も見えなかった。

いや、隅の方に掛け布団だけが一枚、乱れて放置されていた。

そんなことよりトイレだ。さてどこだ。

何もない方より、何かがある方へ足が向かうのは人の常で、
私は放置された布団の方へ歩み寄った。

普段はそんな行儀の悪いことはしないのだが、
夢の中の無意識がそうさせたのか、
なんだか布団の乱れ方がどうにも憎たらしく思え、
私はまるでそこに布団があったことに気づかなかったように
ずかずかと布団を踏んづけて歩いた。すると、

「うぅっ」

布団が唸るではないか。

布団のくせに声を出すとは生意気な。
私はそう思い、さらにも増してガツガツと踏みつけた。

これでもかと入念に踏みつけてからよく見ると、とうとう顔が布団から出てきた。

いくらなんでも布団に顔はないだろう。

男子生徒が、まるでムンクの「叫び」のような苦悶の表情で
布団にくるまったまま気絶していたのだった。

まだ足の裏に残る生身の感触を反芻しながら私は、
なぜか笑いが止まらず、その場を離れた。

広間の出口までくると、
畳と廊下の間あたりに、やけにゴミが散乱しているのが見えた。

つづく。
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