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20231116 本日何もございません。

2023-11-16 17:27:00 | 映画
本日も、以前書いたまま保存していた文章にて更新とさせていただきます。

以下は20230605に書いた文章。

少し前に
「すべてうまくいきますように」という映画を観に行ったことを、ふと今朝思い出し、感想などを書いてみた。

フランス・ベルギー合作映画で、監督はフランソワ・オゾン。
主演はソフィー・マルソー。

テーマは安楽死。その是非を問う、というような内容。

これは実話を元にした作品のようで、原作はエマニュエル・ベルンエイム。
その小説家エマニュエルの役をソフィー・マルソーが演じている。


────エマニュエルの父はある日、脳卒中で倒れた。

エマニュエルが父を見舞うと、身体の自由が効かなくなったことを受け入れられない父は安楽死をしたいと言い出す。

エマニュエルは悩むが、父の決意は固く、安楽死について調べ始める。

フランス国内で安楽死は認められず、それをするなら隣国ベルギーへ父を連れていかなければならないようだった。

しかし、それを家族がすると自殺幇助となり、エマニュエルと妹は逮捕される可能性が大きかった。

父が富裕で大きな財産があることも相続問題により事を難しくした。

そして父は実はゲイであり、そのかつての愛人(中年男)も登場し、周囲は振り回され、皆が怒ったり泣いたりする。

エマニュエルの母(シャルロット・ランプリング)はすでに感情を捨てたかのような表情で何も言わない。

実父の安楽死を企画進行するという気が進まない作業をいやいや進めるうちに父の具合は好転し、それならもうその選択は不必要かと思われたが、父の決意は揺るがず、逆に急かされる。そうしているうちにとうとう警察が動き出し、エマニュエルと妹に捜査の手が伸びてきた。父はどうなるのか。そして母が長年閉ざし続けてきた心の声とは。────



というような話なのだが、
この作品は、安楽死の是非を問う、ということの他に、金がなければそれを選べない、という問題も提起しているだろう。

誰でもその気になればいつでも簡単に死ねるが、それは痛みや苦しみや後処理問題を伴うから、なかなか決心がつかないし、しかも決行したら、いろいろな意味で家族に迷惑がかかる。

この作品の場合は、そういった希望を多額で受け入れる合法的組織が存在し、そこに本人を本人の意思とともに連れていきさえすれば、あとのことは何も滞りなく、あっという間に事が進む、という図式が用意されている。我々日本人には馴染みがないが、こういった組織や方法は実際にEUにあるのだろう。

もちろん、受け入れや決行には多くの条件があり、法律的な問題をすべてクリアしなければ、金をいくら積んでも希望は果たされない。

さて、ここまで書いておいてなんだが、他人の安楽死についての答えなど私にはないことを明確にしておきたい。自分のことは自分で決めるだけである。

自分の死の行方を想像し判断できるうちはまだよいが、齢を取ればそのうちある瞬間からそれまでの自分とは違ってしまうことが可能性として低くはないから、そうなった場合──具体的に言えば、発言と行動が支離滅裂になった場合、それが本人の意思であってもそれを「本人の意思」とは法的に認められず、だから安楽死を望んで用意していたとしても、決行はされない。財産があればなおさら複雑になり、ゆえにそこまでを明晰なうちに考えて決めておかなければならない。けっこう難しい話。もしこれが日本でも解禁されたら、今度は本人の周囲から「安楽死という選択もあるらしいよ」というような柔らかな強迫を受けないとも限らない。

この映画は、どちらかというと明るめに人の死を描いていて、あまり深刻な感じがない。死に向かう父もけっこう明るいし、作品の核が死そのものより、安楽に死ぬためにはひと波乱もふた波乱あるよ、というしっかりとしたストーリー展開のある映画なので、観てもそれほど気が沈まない。

ところが、NHKのドキュメンタリーで安楽死を扱った作品があり、それを動画で、ベッドに横たわる女性が服薬し、数分後に完全に死ぬまでをはっきりと見たら、これは重かった。逝く人、送る人、それぞれの気持ちを考えたら、さすがに私の涙腺も切れなかったが、切れそうにはなった。

E V O L U C I O 


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