夢の羅列<インテグラの家-p1> 20171015
まったく知らない家に置いてある車を私は時々勝手に使っていた。
車はホンダの昔のインテグラのような2ドアの車種で、
鍵は家主の男の机に立てかけられたファイルケースに鍵束ごと入っているのを見つけ、
車の鍵だけをそこから外し、いつも車庫から乗り出していた。
さすがに長い時間、例えば一泊などはしなかった。
だいたい数時間の使用で元に戻していた。
ところがある日、家主の不在を見計らっていつものように侵入し、鍵を出し、
車に乗り込んだらエンジンがまったくかからなかった。
セルも回らない。
点検したら、やはりバッテリーが原因のようだった。
仕方がないからバッテリーに充電器からのケーブルをセットし、
しかしボンネットを開けたままではひと目で怪しまれるので、軽く閉めた。
それから、まあフル充電まで5時間ほどかかるだろうし、他にすることもないからと
布団を出してきて、車のすぐ横に敷き、私は寝た。
これが現実であれば、私は他人の男が常用している布団で寝るなどということは、
相当に追いつめられた状況でなければ出来ないのだが、夢なのですぐに寝入った。
静かな部屋というか車庫というか、それら二つが一体化しているのか、
夢の中の家なので構造は単純かつ複雑ではあるが、小さな物音がして私は目を覚ました。
どうやら家主の男が帰ってきたらしい。
つづく。
まったく知らない家に置いてある車を私は時々勝手に使っていた。
車はホンダの昔のインテグラのような2ドアの車種で、
鍵は家主の男の机に立てかけられたファイルケースに鍵束ごと入っているのを見つけ、
車の鍵だけをそこから外し、いつも車庫から乗り出していた。
さすがに長い時間、例えば一泊などはしなかった。
だいたい数時間の使用で元に戻していた。
ところがある日、家主の不在を見計らっていつものように侵入し、鍵を出し、
車に乗り込んだらエンジンがまったくかからなかった。
セルも回らない。
点検したら、やはりバッテリーが原因のようだった。
仕方がないからバッテリーに充電器からのケーブルをセットし、
しかしボンネットを開けたままではひと目で怪しまれるので、軽く閉めた。
それから、まあフル充電まで5時間ほどかかるだろうし、他にすることもないからと
布団を出してきて、車のすぐ横に敷き、私は寝た。
これが現実であれば、私は他人の男が常用している布団で寝るなどということは、
相当に追いつめられた状況でなければ出来ないのだが、夢なのですぐに寝入った。
静かな部屋というか車庫というか、それら二つが一体化しているのか、
夢の中の家なので構造は単純かつ複雑ではあるが、小さな物音がして私は目を覚ました。
どうやら家主の男が帰ってきたらしい。
つづく。