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夢の羅列<裏新宿>

2015-11-08 19:04:07 | Dreams
夢の羅列<裏新宿>

夢の中で、
私は電車に乗っていた。

通勤とか所用とかではなく、
知り合いが何人も一緒に乗っていたようだから、
何か行楽の帰り途という感じであった。

窓の外を流れる景色にだんだんとビルが増えてきた。
こうなると、あっと言う間に新宿に到着するだろう。

ところが終点間近になって電車の走り方がぎこちないのだ。

ぐっとスピードを上げたり、急にブレーキをかけたり。
まるで車の居眠り運転のような気配であった。

私は3号車の右側窓際、進行方向に座っていたから、
ちょうど右カーブの時に先に曲がってゆく1号車の運転手が見えた。

実際なら見えないだろうが、
夢の中だから、はっきりと横顔が見えた。

目がトローンとしていた。

あれはマズイなあ、と私が思っていると、
電車はなんと道路に出た。

出たといっても、これは既定路線らしく、
最近は、
いや、夢の中での最近の事情では、このようなこともあるらしい。

たぶんこれは京王線なのではないか。
代々木手前あたりで道路に出た我らが電車は、
細い商店街を遠慮しないで走ってゆく。

裏新宿などと題名を書いたが、
そんな呼び名はないと思う。
まあ、なんとなく、だ。
新宿も広いしね。

前方が少し渋滞していた。
最後列に古いスカイラインが停まっている。
しかし電車は速度を落とさない。

「おいおい」と私が口にした途端、
ギューっと電車は急ブレーキをかけて、ギリギリで止まった。
危ねえなぁ。
無事に着けるのかな。

私の心配をよそに電車はまた商店街を走ってゆく。

こんなとこ、あったかな。
最近、新宿も様変わりが激しく、
渋谷もそうだが、
もう、ほんの少し行かないだけで、地下などは迷うほどに
変わってしまう。

そんな感慨に耽っている私の乗った電車は
これからなぜか、なぜか踏切を渡ろうというのだ。
これがこの夢のクライマックスである。
前方に見える踏切はいわゆる盛り土凸状になっていて、
この長い電車が上って、そして下るというのだ。

と私が考えている間に、電車は一気に躊躇なく
「びよーん」とジャンプした。
踏切で正に踏み切ったわけだ。
そしてまるでスローモーションのように滞空した。
裏新宿の町並みを上から見渡すこの臨場感。
このリアルさはもう夢じゃないな。

それにしても昨日今日に出来た町の雰囲気ではない。
明大前あたりがこんな感じではなかったか。

見下ろす着地点はもちろん商店街なのだが、
ちょうどうまく人がいなくなっている。
すぅっと落ちる背中が寒いような感覚とともに放物線を描いて
電車は道なりにソフトにスムーズにテンダネスにランディングした。
着地の瞬間、少し開いた窓から焼き鳥の匂いがした。

あのトロ目の運転手、なかなかやるじゃないか。
まあ公的交通手段だから、ムラがあっては困るのだが。
フフフ、それにしても何事もうまくいくじゃないか。
Everything's gonna be alright!






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