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夢の羅列<思想および未来時計>

2015-10-07 18:59:43 | Dreams
夢の羅列<思想および未来時計>


夢の中で私は、
首の過剰ストレッチによる頚椎損傷の可能性を
どこかの女子事務員二人にくどくど説明していた。

そして私はついに、こう断言したのだった。

「健康への思想の在り方は、
リスクを負い健康を手にするか、リスクを負わず不健康であるか、
ではなく、
リスクを負わずして健康となるか、不健康であるか、の選択なのだ」

女子事務員の一人は、そわそわと帰りたそうに、
もう一人は、「聞いてあげてるけど、この人大丈夫かしら」

という表情であった。

考え方は間違っていないだろう。しかし、
澄んだ目できっぱりと人に断言するほどのことだろうか。

とはいうものの、私にしても本当は、
携帯のメモに書き溜めた「私の一日一思想集」を
一刻も早く削除したいと痛切に欲していたのだった。

しかし夢の中での機械操作ほど怪しく虚しいことはない。

さっき押したボタンが消えている。
触る度に機種が違う。

本気で相手にすればするほど死の螺旋へと巻き込まれてゆくのだった。

そういえば何時だったか。
私は左手の腕時計を見た。

それはGショックのような複合機能型の時計であった。
それにしても時刻がまったく狂っているように思えた。

昼の1時か1時半ほどのはずなのに、時計は夕方6時半を示していた。

よし、まずこれを直そう。
ここが基本だ。
正確無比な時間こそ社会的人間の第一条件なのだ。

ところが、
夢の中での機械操作ほど怪しく虚しいことはない、のだった。

これもボタンを押す度に機種が変わった。
まるで未来の時計のように様々な環境、用途に合わせた仕様へと、
すぐさま変化するのだった。

お、これはロシア語表記か。
お、これは電磁波測定機能か。
お、これは易ではないか。

なにしろどれもカッコいい。
カッコいいんだけど、大事な時刻が合わせられないのだった。

しまいに針が反乱逆行さえし始めて、
私は「いやこんな時こそ冷静に考えるべきだ」と自分に言い聞かせるも、

夢の中での思考ほど怪しく虚しいこともなく。


終わり。





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