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なぜかシャンソン 3 石井好子

2015-07-02 22:38:29 | なぜかシャンソン
石井好子を私は一度だけ観に聴きにいったことがある。
今からちょうど10年くらい前のことである。

「一度くらい聴いておかなければ」

という気持ちが突如湧き起こり、どこだったか、
あれは芝公園のメルパルクホールだったか、
その2階席で観た。聴いた。

その年はたぶんYoutubeの元年で、
だからまだ日本ではYoutubeをほとんど見ることが出来なかった。
通信速度とコンテンツ量に問題があったと思う。

私も石井好子のことをほとんど知らずに、
しかし何かで見かけた映像での歌が心に残っていて、
「観ておこう」と出かけたのだった。

期待は全然していなかった。
正直な話、ずいぶんなお歳であったから、
歌唱については期待は出来なかった。
期待をしたのは(はっきりと言えば)消え去ってゆく最後に
いったい何を見せるのか、聴かせるのか、であった。
若さも力も技も超えた何かを私は聴きたかった。
しかしその期待は裏切られるだろうと予測していた。
もしかすると途中で席を立つかもしれないと思っていた。

ところが、これがすごく良かった。

あの方は繊細な芸風ではないし、声も繊細ではないから、
歌も繊細ではない、かというと、これは説明が難しくて、
聴き方、聴く側の気持ちによって大味に聞こえたり、
繊細に聞こえたりするのではないか。

あまり器用に歌う人ではないので、
興味ない人には良さがわからないと思われる。

上の書き方は揶揄しているのではなく、本当に良かった。

バンドもうまかったしね。
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なぜかシャンソン 2

2015-07-02 18:52:30 | なぜかシャンソン
前回に岸田今日子の「マズルカ」ということを書いたら、
奇遇にも次の日からCS放送で「傷だらけの天使」の再放送が始まり、
ちょっと見たらまさにその「マズルカ」を聴いてしまった。

ドラマの中で岸田今日子が演じる探偵事務所社長の綾部貴子が
好んでいつも聞いているレコードという設定である。

荒唐無稽、かつチープで浪花節なドラマの中で、
この曲が流れると、岸田今日子の人物像を説明せずとも掘り下げ、
全編軽いノリの物語に深みを与えている、ような気がする。

そういえば萩原健一は越路吹雪の「ラストダンス」をカバーしていた。

日本でシャンソンというと、越路吹雪という人も多いかもしれない。
しかしそういった人はもう少なくて、多くは鬼籍なのかも。
越路吹雪の名も今はまったく聞かないし。
私もよく知らないし。

この日本にはシャンソン界というものがたぶんあって、
それを縁から覗くと、けっこうな深さがあって、
それぞれの歴史や関係、エピソードなんかがあるのだろうけれど、
私は全然知らない。

が、少しその辺について書くと、
そのシャンソン界というのは、いやその一翼を
おそらく石井好子さんがリードしてきたのではないか、と推測する。

石井好子さんという人は私が勝手に推測すると、
女性なのだけれど、相当な人物であったのではないか。

つづく。

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