三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

降誕日第1聖餐式(深夜のミサ)

2015年01月01日 | 聖公会の礼拝
日本聖公会 聖パトリック教会
(住所:東京都立川市羽衣町3-15-24)

12月24日(水)、府中の聖マルコ教会(日本聖公会)に於けるクリスマス・イブ礼拝(唱詠晩祷)の後、私は立川の聖パトリック教会(日本聖公会)で降誕日第1聖餐式(深夜のミサ)に参列した。JR南武線の西国立駅で降り、凍てつく夜の住宅街を歩く。やがて、イルミネーションの光が輝く聖パトリック教会が見えてきた。まさに“ Stille Nacht(静けき真夜中) ”の雰囲気である。午後10時、聖餐式の開始を告げる鐘と共に、司祭とサーバー(侍者)が入堂。聖卓前にクリブが見える。

入堂聖歌「いざ歌え いざ祝え」を歌う。これはカトリック聖歌301番の聖母賛歌「きよけし」と全く同じ旋律である。原曲はシチリア島の古い民謡(水夫の聖母賛歌)、または18世紀ナポリのオペラに於けるアリアなど諸説あるが、現在では欧米の非カトリック圏でもクリスマス・キャロルの名歌として広く愛唱されている。ところが、日本のカトリック教会は高田三郎や新垣壬敏という凡庸な作曲家を偏重しているため、「きよけし」のような「西欧の調べ」は廃れつつある。残念でならない。

福音朗読は、主の御降誕の場面(マタイ1・18-25)。菅原裕治司祭は、「クリスマスの喜びは人間の常識に留まるものではありません。本日の福音書は御子の誕生という出来事と人間の常識との遭遇を示しています。教会は御降誕の内にある不思議さというものを伝えていかなければならないのです」と話された。享楽的なニッポン人は「救い主なきクリスマス」に浮かれているだけで、御降誕の不思議さに思いめぐらせようとはしない。謹んで主の御降誕のお慶びを申し上げます。


降誕日“深夜”の聖パトリック教会聖堂


降誕日“深夜”を迎えた聖パトリック教会

◆聖餐式で歌われた聖歌:
ミサ曲譜(キリエ、大栄光の歌、サンクトゥス、アニュス・デイ)、入堂聖歌:73「いざ歌え いざ祝え」、続唱聖歌:74「きよしこの夜」、奉献聖歌:92「ひつじを飼(こ)うもの」、陪餐聖歌:75「かいばおけの」、退堂聖歌:82「み使いの(アデステ)」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)

◆主な参考文献・CDなど:
・「聖歌のしらべ 古今聖歌集作曲者略解」 佐藤裕著(聖公会出版・1987年)
・CD「あめのきさき カトリック聖歌・聖母賛歌集」 合唱:宮崎カリタス修道女会(サンパウロ・P23P59531)

<新年のご挨拶>
明けましておめでとうございます。「安倍・自公独裁」という全世界で最も品性下劣な政権下で3度目のお正月を迎えました。私は2015年も悲観的な気分に囚われていますが、前述の降誕日第1聖餐式に於ける菅原裕治司祭の次の言葉に希望を見いだしています。「クリスマスを通じて、神様の導きと平安があることを再確認しましょう。人間の様々な悩みや思いがあっても、それらを越えて神様は必ず良い方向へ導いてくださいます」。今年もどうぞ宜しくお願い致します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする