三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

主の降誕祭(クリスマス)聖体礼儀

2015年01月13日 | 東方正教会
日本正教会 東京復活大聖堂教会
(住所:東京都千代田区神田駿河台4-1-3)

12月25日(木)、正教会の東京復活大聖堂教会(通称ニコライ堂)で主の降誕祭聖体礼儀に参祷した。本来、東方正教会の旧暦に基づく「クリスマス」は年明けの1月7日であるが、ニコライ堂では日本の「クリスマス事情」を考慮して、新暦の12月25日も祝う。午前9時45分頃、私がいつものように大聖堂入口で蝋燭献金を済ませると、輔祭(助祭)が炉儀(香炉で聖堂を清める)を行っていた。奉事予定表では午前10時からとなっていたが、どうやら既に奉献礼儀が始まっていたらしい。

司祷(司式)は小野貞治神父。福音経の誦読は、占星術の学者たちが幼子と母マリアを訪ねる場面(マタイ2・1-12)。残念ながら、この日の聖体礼儀は説教が省かれたが、生神女マリヤが「悉(ことごと)く其心に蔵(おさ)めて」(ルカ2・19。正教会訳)いたように、み言葉を味わうことも必要となろう。ところで、正教会は「降誕祭」以上に「復活大祭」を盛大に祝う。これは、正教会の信仰の中心が「主の復活」にあるからだが、その「クリスマス」は俗世間の虚飾を排した厳粛なものであった。

東方正教の「クリスマス」といえば、私はアメリカの作曲家、アルフレッド・リードの「ロシアのクリスマス音楽(Russian Christmas Music)」という吹奏楽曲を思い出す。携香女の主日の記事でも触れたが、この作品は全編に正教聖歌風の旋律が散りばめられており、かつて吹奏楽部員だった私の愛好曲でもある。「東方の響き」が降誕祭の喜びを力強く歌いあげるラストは圧巻。本作はリムスキー=コルサコフの「ロシアの復活祭」と対になるだろう。謹んで主の御降誕のお慶びを申し上げます。


ニコライ堂境内を飾るイルミネーション
<ゆるキャラ系?赤鼻のトナカイさん>

◆主な参考文献・CDなど:
・「ギリシア正教入門」 高井寿雄著(教文館・1980年改版)
・CD「A Tribute to Alfred Reed」 A・リード指揮/ニュージャージー大学ウィンドEns.(Mark:3712-MCD)
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