日本正教会 東京復活大聖堂教会
(住所:東京都千代田区神田駿河台4-1-3)
(住所:東京都千代田区神田駿河台4-1-3)
11月10日(日)、正教会の東京復活大聖堂教会(通称ニコライ堂)で五旬祭後第20主日の聖体礼儀に参祷した。午前10時、聖体礼儀の開始を告げる鐘と共に、ダニイル府主教と司祭、そして在外ロシア正教会(米国)のキリール大主教が入堂。華やかなミトラ(宝冠)を戴く主教品がそろった光景は壮観だった。この日は在外ロシア正教会の代表団が持参した「クルスクの木の根の生神女イコン」(注)も公開された。聖堂内は「霊験あらたかな」イコンを一目見ようとする人々で大混雑。
聖体礼儀はダニイル府主教の司祷(司式)で、在外ロシア正教会のキリール大主教が陪祷された。奇跡のイコンは聖所中央のアナロイ(イコンや祈祷書などを置く台)の上に安置されている(残念ながら、未信者は聖所に入ることができない)。参祷者は聖体礼儀中も増え続け、その熱気は在外ロシア正教会の公式サイト(英語版)が“an enormous gathering”と報じたほどだ。そもそも、イコンとは「絵画」ではなく、「地上と天国との間の窓であり、神の国を写す鏡のようなもの」なのである。
福音経の誦読は、悪霊に取りつかれたゲラサの人が癒される場面(ルカ8・26-39)。山口義人神父は「その人はお供を願ったが、ハリストス(キリスト)はゲラサで神の恵みを証しすることを命じられた。私たちもこれに倣い、神の恵みを証しつつ、力強く歩みましょう」と話された。聖体礼儀後、領聖した信徒には奇跡のイコンの「複製画」が贈られた。それは在外ロシア正教会のヒラリオン府主教が成聖(祝別)されたものという。残念ながら、未信者はこのお恵みに与ることができませんでした。
朝日に輝く東京復活大聖堂
(この日の聖体礼儀の所要時間は約190分)
(注):「1295年、生神女(聖母)誕生祭の日、タタール(モンゴル)の侵攻によって焼野原となったロシアのクルスク郊外の森で、木の根元に落ちている聖像(イコン)を猟師が発見。持ち上げた場所に泉が湧いた。タタール軍は聖像を二つに割ったが、再び一つに合わせると元通りになった。1917年のロシア革命時、安置していた聖堂が爆破されたが、聖像は無傷だった。その後、在外ロシア正教会とともに渡米してからも、聖像は癒しの奇蹟などが相次いだ」(日本正教会HPから要約)。
◆主な参考文献など:
・「ギリシア正教入門」 高井寿雄著(教文館・1980年改版)