しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <ステパノ、サンヒドリンを糾弾(きゅうだん)>

2023-11-04 | 使徒の働き
「うなじを固くする、心と耳に割礼(かつれい)を受けていない人たち。あなたがたは、いつも聖霊に逆らっています。あなたがたの先祖たちが逆らったように、あなたがたもそうしているのです。」(使徒7:51新改訳)

ステパノは最高法院(サンヒドリン)の議員たちを前に、イスラエルの歴史をふり返り、堂々たる弁論(べんろん)を展開(てんかい)する。その中心は二つ。▼一つは、神はモーセによりイスラエルをエジプトから導き出したが、彼らはいつも彼と神に逆らい続けた。そしてモーセの預言どおり、救い主がお出でになったが、あなた方はこの方にも逆らい、十字架に殺した。▼二つ目、イスラエル民族は代々、偶像礼拝の罪を犯して来た。今あなた方はエルサレム神殿を聖なる宮として誇るが、神は手で造った家にはお住みにならない。結局あなた方は偶像礼拝を続けているのだ。そしてその傲慢(ごうまん)さが神のひとり子を十字架につけて殺すという、取返(とりかえ)しのつかない大罪を生んだ。▼ステパノの糾弾は御聖霊のそれであった。人々の反発と憎しみは暴発(ぼうはつ)し、狂った猛獣(もうじゅう)のように彼に襲(おそ)いかかり、これを引き裂(さ)いた。こうして選民のうちに存在する罪が正体を現したのである。