しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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聖日の朝に <十字架>

2024-06-09 | 聖書エッセイ
「イエスは死の苦しみのゆえに、栄光と誉れの冠を受けられました。その死は、神の恵みによって、すべての人のために味わわれたものです。」(ヘブル2:9新改訳)

私は過去三回手術を受けたが、いずれも全身麻酔によるものだった。そのため、眠りからさめると終わっており、からだを切る苦しみと痛みを経験することはなかった。▼しかし主イエスの十字架上の苦しみは、麻酔など一切なく、そのままの激痛が六時間続いたのである。「死を味わう」とは私たちの想像できない世界ではないだろうか。主の場合、苦しみは肉体だけでなく、神から捨てられ、のろわれるという霊魂上の苦しみもともなっていた。すなわち、人間が神から完全に捨てられ、死の苦痛を「一滴残らず飲み味わう」という状態に置かれたのが御子イエスであられた。最後に「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになるのですか」と叫ばれたが、死に完全占領された主イエスの、筆舌につくしがたい恐怖と苦しみが現れた叫びといえよう。▼父なる神は御子に死を味わわせることにより、信じる私たちをそこから解放してくださった。これが永遠のほろびから救い出されたということにほかならない。じつにほふられた子羊こそはすべての誉れ、栄光、賛美を受けるにふさわしいお方である。この死により、古い世界は終り、新しい復活の世界が始まった。どれほど賛美してもなお足りないイエス君が新世界の王である。ほめたたえよ、ほめたたえよ、主を‼