「祭司の子らのうちで異国人の女を妻にした者がわかった。エホツァダクの子ヨシュアの息子たちと、その兄弟たちのうちのマアセヤ、エリエゼル、ヤリブ、ゲダルヤであった。」(エズラ記10:18新改訳)
ヨシュアは大祭司として、イスラエル最高の霊的地位にあったが、その息子たちは異邦人の女を妻にしていた。モーセ律法によれば、祭司はイスラエル人の女性から妻を得るよう、固く命じられていたのに、大祭司の一家がそれを守らなかったのである。レビ記には大祭司について、「彼はただ、自分の民の中から処女を妻としなければならない。一族のうちで子孫を汚すことのないようにするためである。わたしは彼を聖別する主だからである」(レビ記21:14,15同)と規定されている。▼ゼカリヤ書に、サタンがヨシュアを神の前に訴えている光景が出て来る(三章)。それはヨシュアが汚れた服を着ているのに聖務に就いているとの非難であった。おそらくその根拠は息子たちの結婚ではなかったか、と思われる。敵の非難に対し、神はヨシュアの汚れた服を脱がせ、礼服を着せた上、きよいターバンと祭服をまとわせたと記されている。▼帰還した人々の一部は、弱さと不信仰からであろうが異邦人と雑婚し、イスラエルの存立をあやうくする罪を犯した。だが憐れみの神はその中でもイスラエルを守られたのであった。敬虔に神に仕え、信仰の道を歩む人々は絶えることなく、数百年後、イエス・キリストの誕生につながっていったのである。私たちはキリストの出現を待ち望んでいたシメオンやアンナ、ベツレヘムの羊飼いたちを思い出す。▼ただ、エズラから十数年後にネヘミヤが総督として赴任し、城壁の再建と信仰の改革を行ったが、その頃にも雑婚の問題は尾を引いていた。異邦人と結婚して子供までもうけたユダヤ人たちを、ネヘミヤが怒って罰し、神に誓わせたことが記されている(ネヘミヤ記13章)。