「ゼデキヤの治世の第九年、第十の月の十日に、バビロンの王ネブカドネツァルは、その全軍勢を率いてエルサレムを攻めに来て、これに対して陣を敷き、周囲に塁を築いた。」(Ⅱ列王記25:1新改訳)
ゼデキヤはダビデから数え、二二代目のユダ王でヨシュア王の子であった。信仰深いヨシュアが戦死してから四人の王が立ったが、みな不敬虔で、ユダ王国のほろびは決定的になった。こうしてゼデキヤの十一年にエルサレムは落城、人々は殺されるか捕虜になり、都と神殿は焼かれて廃墟になったのである。▼偶像礼拝と罪深い生き方は、ユダ王国を救うどころか、悲惨な結末をもたらした。これは王と支配者たちがイスラエルの神を仰がず、信仰的に盲目になり、人間的な手段方法で国の将来を決めようとしたからである。▼このとき神から遣わされたエレミヤは、いのちがけで人々に預言した。つまりバビロンに降伏することが神のみむねであると説いたのである。だが王も指導者たちも耳を貸さず、彼を迫害した。為政者たちに神のお声が聞こえなくなるという、国家最大の不幸は今も昔も変わらない。