「私はすでに注ぎのささげ物となっています。私が世を去る時が来ました。私は勇敢に戦い抜き、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました。」(Ⅱテモテ4:6,7新改訳)
パウロが死刑判決を受けるのは、もはや時間の問題になっていた。そのことを意識しながら、彼は「走るべき道のりを走り終えたので、思い残すことはまったくない」と証しする。▼私たち信仰者のうち、はたして何人の者がこれほどの達成感を抱いて世を去ることができるだろうか。「まだやり残したことがある」、「私は御国に入る備えができていない」と慌てふためいて最後を迎えるキリスト者たちのことを聞いている。▼それにしてもパウロを取り巻く状況はきびしい。味方になってくれる人たちおらず(16)、弟子の中には離れ去る者も出た(10)。その上、入れられている獄屋の環境は最悪で、これから冬が来ると言うのに、すでに寒さはきびしく身にこたえている。だからテモテに、カルポの所に置いてある外套を持って来てほしい、と手紙に書き添えたのであった。▼にもかかわらず、老聖徒はもう一度、輝く栄光の天に目を向ける。そこにはパウロを救い、大いなる力を与えて走り抜かせたキリストが無数の聖徒たちに囲まれ、彼が天に上って来るのを待っておられる。すでに大合唱、大賛美が耳に聞こえて来るではないか。テモテよ、あなたも続きなさい。どんな場合にも慎んで苦難に耐え、伝道者の働きをなし、自分の努めを十分に果たしながら・・。
<やがて天にて>
①御国に住まいを備えたまえる 主イエスの恵みをほめよ、たたえよ
②浮世のさすらい、やがて終えなば 輝く常世(とこよ)の御国に移らん
③もろともいそしみ励み戦え 栄えの主イエスに、ま見ゆる日まで
④目当てに向かいて馳せ場を走り 輝く冠を御殿(みとの)にて受けん
<折返> やがて天にて喜び楽しまん 君にまみえて 勝ち歌を歌わん
{新聖歌468 詞:Eliza E.S.Hewitt,1851-1920(UN)}