「あなたの聖なる住まいの天から見下ろして、御民イスラエルと、あなたが私たちの父祖たちに誓われたとおり私たちに下さった土地、乳と蜜の流れる地とを祝福してください。」(申命記26:15新改訳)
イスラエル人たちは約束の地、乳と蜜の流れる地を占有したとき、そうさせてくださった神への感謝を決して忘れないよう命じられた、それをくわしく記したのが本章である。▼彼らは感謝のそなえものを主にささげる時、神の指定された場所でそうするよう固く定められた。最初はシロというカナン中部に幕屋が置かれたので、人々は毎年そこに上ったのであったが、ソロモン時代にエルサレム神殿が造営され、正式な礼拝場所となった。▼にもかかわらず、王国の歴史を読むと、人々の多くは命令を守らず、国中の高い場所や木々の根元で供え物を献げ、自分勝手な礼拝を続けた。そうするうちに次第に偶像礼拝が始まり、不品行も行われるようになって、国力は弱まり、最後にはアッシリアやバビロンに占領されて滅びたのである。▼神への正しい礼拝と感謝をささげるのがどんなに大切かをあらためて思わせられる。「ですから、思い出してください。あなたがたはかつて、肉においては異邦人でした。人の手で肉に施された、いわゆる『割礼』を持つ人々からは、無割礼の者と呼ばれ、そのころは、キリストから遠く離れ、イスラエルの民から除外され、約束の契約については他国人で、この世にあって望みもなく、神もない者たちでした。しかし、かつては遠く離れていたあなたがたも、今ではキリスト・イエスにあって、キリストの血によって近い者となりました。実に、キリストこそ私たちの平和です。キリストは私たち二つのものを一つにし、ご自分の肉において、へだての壁である敵意を打ち壊し、様々な規定から成る戒めの律法を廃棄されました。」(エペソ2:11~15同)