しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <ヤコブの心配>

2023-11-06 | 創世記
「するとヤコブは言った。『この子は、おまえたちと一緒には行かせない。この子の兄は死んで、この子だけが残っているのだから。道中で、もし彼にわざわいが降りかかれば、おまえたちは、この白髪頭(しらがあたま)の私を、悲しみながらよみに下らせることになるのだ。」(創世記42:38新改訳)

ここには、次第に追い込まれていくヤコブ一族の姿が描かれる。理由は、皆がそれぞれ人をあざむく生涯を送って来たからであった。▼ヤコブは兄、父、叔父(おじ)など大勢(おおぜい)の人をだまして人生を送って来た。息子のルベンたちもヨセフが死んだと父に嘘(うそ)をついてここまで来た(→創世記37:31,32)。その結果、にっちもさっちも行かなくなってしまった。しかし飢饉(ききん)はきびしく、このままでは一族みな死んでしまう。ヤコブはどんなに苦しかったことだろう。もちろんここまで追い込んだのはエジプトの宰相(さいしょう)ヨセフで、兄たちが罪を自覚し、悔い改めるように仕向けているのであった。▼世界歴史の終末にも同様のことが起きると思われる。イスラエル民族はますます孤立して苦しむだろう。メシア、キリストにお会いし、砕かれるため、神がそうされるのだから・・・。最近のパレスチナ紛争(ふんそう)を見ていると、いよいよその感を深くする。