しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <ヨセフ家の管理人>

2023-11-07 | 創世記
「彼は答えた。『安心しなさい。恐れることはありません。あなたがたの神、あなたがたの父の神が、あなたがたのために袋の中に宝を入れてくださったのです。あなたがたの銀は、私が受け取りました。』それから、彼はシメオンを彼らのところに連れて来た。」(創世記43:23新改訳)

ヨセフ家の管理人はふしぎな人物である。一連(いちれん)のできごとの筋書(すじが)きを全部知っているような口ぶりだ。エジプト人と思われるが、ヨセフとあらかじめ打ち合わせをして事を運んでいるようにみえる。▼私には、この人が御聖霊のひな型のように思えてならない。預言的にいうと、まもなくヨセフが兄たちと出会う場面は、やがてイスラエル民族が栄光のイエス・キリストにまみえるときの予型といえよう。そこに向け、すべての歴史を組み立て、運んでおられる方こそほかならぬ御聖霊なのだ。▼現代のイスラエルは建国こそしたが、依然(いぜん)として悩みの中だ。しかし、すべては地上に来られるキリストとの出会いに向け、神が着々(ちゃくちゃく)と進める行程下(こうていか)で運ばれている。▼「ヨセフは弟なつかしさに、胸が熱くなって泣きたくなり、急いで奥の部屋に入って、そこで泣いた」(30同)あるが、読んでいてもらい泣きする人もいよう。やがて到来する終末の大患難期、世界中に荒れ狂うイスラエル民族と教会(多くの異邦人たちがこの時期に回心してキリスト者になるだろう)への未曾有(みぞう)の迫害を、主イエスはあたかもヨセフが弟ベニヤミンを見たような思いでながめるのではないだろうか。「イエス・キリストの火のように燃えるご愛」こそ、地上再臨の動機にほかならないと私は思う。