エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

大谷石と大谷寺

2011年08月10日 | ドライブ
大谷石は建築素材としては加工しやすく、かつ美しい。
優れた素材である。



切りだされた大谷石である。
この大谷一帯の地下は、大谷石が切り出された結果、空洞となっている。



かつてはこうした地下空洞を公開していたのだけれど、4日に出かけたところ閉鎖されていた。
3.11地震の後遺症なのだろうか。

切りだされた空洞は音響効果に優れているのだそうである。
もう大分以前だったけれど、この空洞でコンサートが催された事があった。
聴いてみたいものである。

この大谷には、二つの見どころがある。



一つは「大谷寺」である。
山門である。



本堂である。
洞穴内に堂宇を配する日本屈指の洞窟寺院である。

本尊は、凝灰岩の岩壁に彫られた高さ4メートルの千手観音である。
この石仏は日本最古である。
磨崖仏の敬虔な印象は、大分県の国東半島の石仏にも負けないのである。



正に、この大谷磨崖仏は大分県臼杵市の臼杵磨崖仏と並んで学術的に非常に価値の高い石仏とされ、1926年(大正15年)2月24日に国の特別史跡に指定され、1961年(昭和36年)6月30日には「彫刻」として国の重要文化財に指定されているのである。



古色蒼然とした崖に、地蔵が置かれている。
「深い静謐」を感じるのである。



創りかけなのか、風化の現実なのか判然としない佇まいである。
あるいは、この二つの窓に経文が刻んであったのだろうか・・・。



大谷寺の裏庭には池がある。
そこに置かれた石仏は「半跏思惟像」である。



庫裏の丸窓の手前に置いてあった。



これは苔蒸した地蔵である。
長い時間、おそらく百年単位で刻印された時間を過ごしてきたのであろう。



無碍に素通りできないのである。





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 荒野人