桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2010・7・15

2010年07月16日 | Weblog
厨房の中にいるとお客さんとスタッフがどんな話をしているか分からない。それが常連だと想像がついたりすることもあるが、どんな仕事をしているかも分からないイチゲンとなると想像することすら最初から諦めてしまっている。今日もそうだった。6時過ぎに入ってきてスキヤキにグレープフルーツジュースをオーダーした女性客のMさん(後で名前を知った)のことは、イベントの開場時間と重なり、フードのオーダーで忙しくなったこともあって、興味の埒外だった。でも、しばらくして彼女からコリアン冷や奴の注文が入った。え、すき焼にご飯も食べた筈なのにまだ食べるの?というのが興味の持ち始めだった。そう思って耳を欹てると「美味しい」という声が聞こえて来る。「すき焼に誘われてこの店に入ってよかった」という声も聞こえる。そうか、通りかがりにウチの店にご飯を食べにきてくれたのか?そして俺の作った料理を美味しいとお代りまでしてくれると思うと、当然の如く俺の気分はよくなる。8月末の『リスボンの夜』に出す予定のポルトガル料理を試作中だった俺は、サーディンのポルトガル風玉子焼を「試食してください」と自分でも気づかない内にサービス。更にそれも美味しい美味しいと食べてくれたもんだから今度は鰯とじゃがいものニンニク風味包み焼きまで出してしまう始末。桃井の料理をそっとおだてると千数百円かは得するのだ。冗談はさておき、Mさんがどうしてこんなに俺の料理を食べてくれたのかいうと彼女はデトロイト在住のキャリアウーマンで日本に仕事で一時帰国中で日本食に飢えていたからだと判明したのだが、食べ物が縁が親しくなり、お喋りに夢中になった俺はホンの一時間程度の予定で店に入ってきたMさんを3時間以上も引き止めていた。でも、彼女にとってはちょっとばかり得した『東京の夜』だ。
☆COREDO PRESENTS『リスボンの夜』
今年の夏、コレドはリスボンになる!
~~津森久美子ファドライブ~~
日時 8/23(月)開場18時半、開演20時
出演 津森久美子(ファディスタ)、月本一史(ポルトガルギター)、水谷和大(ギター)料金 3000円(飲食代別途)
予約お問い合わせはコレドシアター(5時以降☎03ー3470ー2252)まで。
☆COREDO演劇フェスティバル2010
今年の最優秀賞はどの団体に?
7/26~9/5まで12劇団ユニットがコレドらしい演劇をめざしてグランプリを争います。詳しくはホームページで。