桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2008・10・19

2008年10月20日 | Weblog
可愛かった。ホント可愛かった。他に表現する言葉が出ない。俺はその子を抱いて、何十分もただただその子の顔を見つめていた。その子の名前は本山友嗣、四ヶ月。去年までウチのマドンナだった多恵ちゃんと広尾時代の店長だった本山君の間に生まれた赤ちゃんだ。今日の午後、イベント公演中の店に何の前触れもなくその子はお父さんとお母さんに連れられて俺たちの前に姿を現した。俺が二人に頼んで抱かせて貰ったら、その子は俺の腕の中でウトウトしだす。「さすがに経験者は違う」とか「よっ、お祖父さんっ」という声が上がる中、俺はその子の顔を見つめながら、本山君がウチの店に来てからの色々なこと、多恵ちゃんがウチの店に来てからの色々ことを交互に思い出す。そのどれか一つがなくても、この子は今目の前にいなかったのだと思うと、人生って奴、運命って奴、偶然って奴をシミジミ感じてしまう。俺が引き止めた為、四時間近くウチの店にいて、その子が帰って行った時に、得体の知れない寂しさが俺を包み込む。こんな気持ちになるなんて、どういうことなんだろう?