goo blog サービス終了のお知らせ 

元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

雇用契約期間経過後もそのまま労働者を雇えば、同一条件で更新の推定。

2015-06-13 14:05:43 | 社会保険労務士
 ちゃんとした更新手続きをしておくことは、期間の定めのない契約と同じと捉えられないためにも重要です。

  契約期間の定めのある雇用契約を更新する場合には、、早めの更新手続きを取っておかないと、契約期間が経過したときには、そのままの労働条件で契約が更新されたものと推定されてしまいます。私の経験から言いますと、業務を担当する課にその手続きを任せていると更新期間が過ぎてしまいますので、ここは人事を担当する課が率先して、かつ、責任を持って、手続きをすべきです。(私の経験からと言いましたが、実は業務を担当していた課が私の属する課でして、そのころ多くの有期契約従業員を雇っていたが、業務を担当する課は本当のところ、業務の方が忙しくて、更新の取りまとめを任されても、人事への理解もそのころは浅くて、結局後回しになってしまいます。)

 民法629条 雇用契約の期間が終わっても労働者が引き続き働いている場合に、雇い主がこれを知りながら異議を述べない時は、契約が更新されたことになり、特別の事情がない限り、前と同じ条件でさらに雇用契約を結んだことになる(推定)。この場合、この更新された契約は、雇い主も労働者も、627条の規定(期間の定めのない雇用の解約の申し入れ)に従って解約の申し入れをすることができる。(口語民法訳、自由国民社) 

 最近では契約期間には、労使双方とも厳しくなっていますので、漫然と雇用期間を過ぎてしまうことは考えられないとは思いますが、少なくとも契約更新の際には、更新するのかしないのか、する場合にはちゃんと手続きを行い、どういう契約内容にするのかちゃんと記録に残して、しかも契約期間が経過する前に、書面でもって労働者に渡しておくべきです。契約期間が過ぎてしまっても、合意できれば、さかのぼって契約内容を変更できないこともないとは考えられますが、相手があることですので、合意できずにトラブルに発展する可能性があります。特に契約内容を変更する場合には、早めの手続きを行い契約期間が満了する前に、手続きをすませましょう。
 
 さらに、契約更新手続きを厳格に行わなければならない理由の2つ目は、契約更新の手続きが形骸化して、実質、期間の定めのない契約と変わらないものとなっている場合や労働者に雇用継続の期待への合理的理由がある場合には、雇止めが認められないこともあるからです。(労働契約法19条、解雇権濫用法理の類推適用=雇止め法理)

 また、更新された契約は、民法629条の後半の部分の、この場合「627条の規定により解約の申し入れができる」との規定を文字どうり、契約の定めのある契約から契約の定めのない契約に転化するとの説 * もありますので、そう解釈されないためにも、ちゃんとした更新手続きを行っておくべきです。
 
 * しかし、最近では、例えば、従前の契約期間が、2か月であれば、更新後も2か月であるというのが有力説である。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「使用者の賠償責任」(民法... | トップ | パートは主婦の空いた時間と... »

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

社会保険労務士」カテゴリの最新記事