元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

連れ子同志の結婚は遺族基礎年金支給のためには子を養子に!!

2015-09-12 17:12:22 | 社会保険労務士
 子は死亡した者の子でないと遺族基礎年金は支給されない

 遺族基礎年金は、妻(配偶者)に支給される場合は、「子」(18歳年度末までの子、1・2級の障害者の子のときは20歳まで)のあるとき(より具体的には、子と生計同一でなければならない。)にしか支給されない。

 ところで、夫婦になって、子供が生まれてという一般的な家庭の場合は、子供は夫婦の子であるから、夫の子であり、妻の子であるから、どちらの子であるかはあまり考えなくても、18歳年度末あるいは20歳までの子供を育てる間は、遺族基礎年金を請求すれば、この遺族基礎年金が支給されることになる。

 ところが、再婚者同志で、どちらにも連れ子がいて、夫が死んだ場合はどうなるのだろうか。(*)その夫婦は、夫の死亡前、どちらの連れ子とも一緒暮らしていたとしても、養子縁組をしていない限り、法的には夫の子は夫の子であり、妻の子ではない。一方、妻の子は妻の子であり、夫の子ではないのである。ここで、遺族基礎年金の子は、死んだ方の夫の子でなければならないのである。つまり、死んだ夫の関係が子でなければ、基礎年金の対象となる子として認められない。この場合は、死んだ夫の連れ子と一緒に暮らしていたので、その子と生計を同じくする妻となって、遺族基礎年金が支給されることになる。

 しかしながら、年金額的には、780,000円(妻の基本額)+224,000円(夫の子一人分の加算)=1,004,000円(27年度価格)となって、子供一人分の加算が付くけれども、もともとの妻の子には、その加算額の対象とはならない。

 遺族基礎年金の計算上は、妻の子供もその対象にするために、夫が生前に妻の子と養子縁組をしていたら、妻の子も夫の子と認められて、780,000円(妻の基本額)+224,000円(夫の子一人分の加算)+224,000円(養子となった夫の子2人目の加算)=1,229,100円となるのである。    (※妻が死んで夫がもらう時は、逆になるから、妻の生前に夫の子と養子縁組をしていればよいことになる。)

 ところで、連れ子は妻だけであり、夫に子はいなかった者どうしの再婚の場合に、夫が死んだ場合はどうであろうか。妻は、子のない配偶者(死んだ夫の子ではないため)となり、遺族基礎年金はまったくでない。働いており厚生年金を掛けていたとすれば、遺族厚生年金は出る場合はあるが、遺族基礎年金は出ないのである。支給されるためには、やはり、夫の養子にしておかないと、妻は子のある配偶者とはならず、遺族基礎年金は出ないのである。

 
 (*)もちろん夫が死んだとき、夫は国民年金の被保険者・老齢年金の受給権者等であり、保険料もちゃんと納めており、一定の他の資格基準を満たしているものとする。
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