「勝氏(勝海舟)は現在の事態をきびしく批判され、西郷(隆盛)氏の死後は日本には正直な人間は一人もいないと断言された。ミカドは非常に裕福だがほかはすべて貧しく、官史はみな他人のものを奪って私腹を肥やそうとし、正直な者は一人もいない。今日の時勢では正直は割が悪く、正直を実行しようとつとめるものはすべて、名誉の価の低さに絶望し、自殺に追いこまれてしまうといわれたという」(クララ・ホイットニー「勝海舟の嫁・クララの明治日記」より)
勝海舟は明治の官界の不正をそうとう憂いでいたようです。明治以降、日本は正直者は馬鹿を見る世の中になってしまったのでしょうか。政治の世界だけでなく国民一人ひとりの姿勢が問われているのだと思います。