Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

ICUには都市伝説が一杯

2014年10月12日 | ひとりごと
先日のICUカンファでの出来事。
ある患者さんの話題で、ある科の医師が、
”Afになったのはラシックスで脱水になったからでは?”
と言った。

次の患者さんの時に、ある科の医師が、
”クレアチニンが上昇しているので、尿生化を提出して腎性か腎前性か鑑別したい”
と言った。

その次の患者さんの時に、ある科の医師が、
”乳酸が上昇したから、循環不全があるはずだ”
と言った。

おお!
三連続で都市伝説だ!

みなさん、いい加減にご存知とは思いますが、
・ICUにおけるAfの危険因子についての研究はいくつもあるが、どこにも脱水とは書いてない。
・教科書にはFeNaなどで腎性と腎前性の鑑別をせよと書いてあるが、多くの研究(特に敗血症)で有効性が否定されている。
・乳酸は好気代謝で(も)増加する。

以前は、
”ノルアドを使うと末梢循環が悪くなるのでドーパミンの方が良い”とか、
”少量のドーパミンは腎血流を増やす”とか、
他にもいろいろあったけど、この辺はさすがにもう聞かなくなった。

まだたくさんありそうだ。根は深い。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ECMOで歩く。 | トップ | 集中治療部は人の命を救える... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ひとりごと」カテゴリの最新記事