まず、夏休みのご報告(なんか普通のブログっぽい)。
オスローに、月曜日に行ってはいけません。
なんでもかんでも休み。ムンクの叫びが。。。(涙)
さて、本題。
今回はCCMから。
Fernandez R, Tizon AI, Gonzalez J, Monedero P, et al. Sabadell Score Group.
Intensive care unit discharge to the ward with a tracheostomy cannula as a risk factor for mortality: A prospective, multicenter propensity analysis.
Crit Care Med. 2011 Oct;39(10):2240-2245. PMID: 21670665
スペインの31のICUに入室した成人症例を三ヶ月間データ収集(4132例)。
そのうち、1996例に人工呼吸が行われ、260例(13%)が気管切開を受けた。
そのうち、23%はICUで死亡。残りの201例のうち、ICUで60例が気管切開を抜去されてから退室、残りは気管切開のまま退室。この二群を比較。
病院死亡は22% vs. 23%。
患者背景が当然のことながら違うので、propensity scoreとSabadell scoreを使って補正、気管切開症例の病院死亡に対するオッズ比は0.6 (0.3-1.2, p=0.1)。
さて。
さらっと書きましたが、ここからいろいろな話ができます。
まとめると、気管切開の適応の話とICU退室後の予後の話。
両方だととっても長くなるので、気管切開の話は割愛。
それにしても、ある意味、気管切開はICU退室を促進するために行われる面があるので、個人的にはICUで抜去したことはほぼないのだけど、外国では結構行われているのね。
で、ICU退室後の予後のお話。
さらっと書いたけど、Sabadell scoreって?と思ってるでしょう。
PubMedで"Sabadell score"と入力すると、文献が上記を含め、4つ出てきます。
全部、Fernandezさんが筆頭著者。
そのうち、
1: A modified McCabe score forstratification of patients after intensive care unit discharge: the Sabadell
score.
Crit Care. 2006;10(6):R179. PMID: 17192174
2: Ward mortality after ICU discharge: a multicenter validation of the Sabadell score.
Intensive Care Med. 2010 Jul;36(7):1196-201. PMID: 20221748.
が、このスコアについての文献。
まず、自分の施設でこのスコアを作って評価(文献1)。
どんなスコアかというと、
0: 長期予後が良さそう
1: 予後は厳しいけど半年以上はありそうで、ICUの再入室の適応はあり
2: 半年以上の予後は望めず、ICU再入室は議論の余地あり
3: 退院は難しいだろう
というのを、ICU退室時にICUの医者が主観的に判断する、というもの。
当然と思うかもしれないけど、予後との関連がメチャメチャ強い。
で、これを多施設で検討したのが文献2で、その結果、スコア毎の病院死亡率は、
スコア 0: 1.5%, 1: 9%, 2: 23%, 3: 64%。
今回の文献はこのデータベースを使って、気管切開症例について検討したもの。
ICUにいると、ICUから退室したらそれで終了、的な感覚をどうしても持ってしまいがち。
でも、ICUの医者の一番の仕事は、患者さんを元気に家に帰れるようにすることだと思うので、こういう研究はとっても重要。好きです。
オスローに、月曜日に行ってはいけません。
なんでもかんでも休み。ムンクの叫びが。。。(涙)
さて、本題。
今回はCCMから。
Fernandez R, Tizon AI, Gonzalez J, Monedero P, et al. Sabadell Score Group.
Intensive care unit discharge to the ward with a tracheostomy cannula as a risk factor for mortality: A prospective, multicenter propensity analysis.
Crit Care Med. 2011 Oct;39(10):2240-2245. PMID: 21670665
スペインの31のICUに入室した成人症例を三ヶ月間データ収集(4132例)。
そのうち、1996例に人工呼吸が行われ、260例(13%)が気管切開を受けた。
そのうち、23%はICUで死亡。残りの201例のうち、ICUで60例が気管切開を抜去されてから退室、残りは気管切開のまま退室。この二群を比較。
病院死亡は22% vs. 23%。
患者背景が当然のことながら違うので、propensity scoreとSabadell scoreを使って補正、気管切開症例の病院死亡に対するオッズ比は0.6 (0.3-1.2, p=0.1)。
さて。
さらっと書きましたが、ここからいろいろな話ができます。
まとめると、気管切開の適応の話とICU退室後の予後の話。
両方だととっても長くなるので、気管切開の話は割愛。
それにしても、ある意味、気管切開はICU退室を促進するために行われる面があるので、個人的にはICUで抜去したことはほぼないのだけど、外国では結構行われているのね。
で、ICU退室後の予後のお話。
さらっと書いたけど、Sabadell scoreって?と思ってるでしょう。
PubMedで"Sabadell score"と入力すると、文献が上記を含め、4つ出てきます。
全部、Fernandezさんが筆頭著者。
そのうち、
1: A modified McCabe score forstratification of patients after intensive care unit discharge: the Sabadell
score.
Crit Care. 2006;10(6):R179. PMID: 17192174
2: Ward mortality after ICU discharge: a multicenter validation of the Sabadell score.
Intensive Care Med. 2010 Jul;36(7):1196-201. PMID: 20221748.
が、このスコアについての文献。
まず、自分の施設でこのスコアを作って評価(文献1)。
どんなスコアかというと、
0: 長期予後が良さそう
1: 予後は厳しいけど半年以上はありそうで、ICUの再入室の適応はあり
2: 半年以上の予後は望めず、ICU再入室は議論の余地あり
3: 退院は難しいだろう
というのを、ICU退室時にICUの医者が主観的に判断する、というもの。
当然と思うかもしれないけど、予後との関連がメチャメチャ強い。
で、これを多施設で検討したのが文献2で、その結果、スコア毎の病院死亡率は、
スコア 0: 1.5%, 1: 9%, 2: 23%, 3: 64%。
今回の文献はこのデータベースを使って、気管切開症例について検討したもの。
ICUにいると、ICUから退室したらそれで終了、的な感覚をどうしても持ってしまいがち。
でも、ICUの医者の一番の仕事は、患者さんを元気に家に帰れるようにすることだと思うので、こういう研究はとっても重要。好きです。
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