さて 宮島を出た私達は 三原行きの電車に乗ります。 たぶん山陽本線 山側を通る電車です。今地図で確認しましたが何しろ聞いたことない地名ばかりで怪しいです。 呉とか通った覚えが無いのでたぶん大丈夫でしょう。 三原からは尾道まで10分ほど。 すぐにつきます。
降り立った駅は目の前に海
ずっと思っていたのですが 瀬戸内海に面しているはずなのに 全然そんな気がしないのです。宮島もそうでしたが 目の前に島があるので 入り組んだ湾の中にいる感じ
思いがけないことでした。 明石や須磨の様に 目の前に四国が見えるものだと思っていましたから。 地図で見ると尾道は向島 因島など大きな島が迫っていて 細い細い湾の中にあるのです。 尾道水道と言うそうですが
後ろには山が迫っていて わずかな平地に家が建つはずもなく 階段状に沢山の家と寺院がひしめき合っています。 これが坂の町と言われる所以ですね?
大林監督の尾道三部作 「転校生」「さびしんぼう」「時をかける少女」の舞台です。 最近ではNHKのてっぱんの舞台でもありました。
坂道を配達する某運送会社のコマーシャルでも登場しました。
さて 私は この三つの町の姿をどういう風に感じられるでしょうか?
背後の山にお城が見えます。 尾道城? 誰の城? なんだか断崖にはみ出しそうにたっている城には 説明できない怪しさがありました。
後で調べてみると 城の形をしているだけで観光協会が 歴史的背景の全く無い城を作り 全国城の博物館を作ったのだと・・・・で 今は廃墟になっているそうで これはあかん あかんよ~
どう歩く? 観光協会へ行って地図を貰ってくる。
まず海沿いに歩いて その後千光寺公園まで登ろう。 そんな風に決めたんだけれど 朝ご飯をしっかり食べていないので ちょっと食べたい。
ほんのわずかある平地に商店街がある。道二本分の商店街。 あらら? でもお正月休みだよ。ほとんど開いていない。 この頃 私の町では正月だからと休む店はほとんど無く ちょっと計算外の結果。
「放浪記」の林芙美子が海を見て座っている。彼女はここに住んでいたらしい。
海が見えた 海が見える
5年振りに見る尾道の海はなつかしい
尾道ラーメンも おのみっちゃんのお好み焼きも 開いている店が少ないので超満員 仕方なく お寿司
地元へ行ったら地元の美味しいものを・・・と思っていたので微妙
どこかで食べられるだろうか?
狭い尾道水道には造船所が建ち並びあちこちで重機のアームが突き出ている。
てっぱんも 造船に関係した鉄工所が舞台だった。
宮島へ渡るときと同じような簡易フェリー みんなの生活の足
ものの2-3分であちら側に着くらしい。
海側を歩いていてもあまり変化が無いので 左に折れて山側に行くことにする。
電車の線路を越えてすぐにのぼりにはいる。
坂の町だからね
てっぱんでお寺の階段を駆け上がっていくシーンが好きだったけれど あれは何処だろう?
ごちゃごちゃしていて あの場所は見つかりそうにない。
この門も何処のお寺のものか よくわからないほど入り組んでいる。
こりゃ迷子になるわ・・・・と言えばこんな言葉が書かれたものが
おのみちを 歩いてごらん
千光寺山に古屋が這い上がる道を
海から風も登ってくる
汐の香を捲きながらあなたへごちそう
坂道をさまようとき
やさしく迎える
山寺のみほとけ・・・・・・
そうだね こんな気持ちで楽しめば良いんだね
人様のお家の軒先を通る。
転んだら下までころがりそうだよ
敷石は円形に外側に向って・・・これって ひょっとしたら雨水が溜まらないように下へ流れる工夫?
どっしりした三重の塔を眺めて先に行こうとしたら 亭主 いきなり
「歩けん。 ロープウェーに乗ろう」
え~~ 下まで戻るですか?
しぶしぶ戻ることにするけれど けっ!
半分は来ているんだよ。
帰りは歩く約束で ロープウェーに
左にかかっている橋はしまなみ海道?
100メートルそこそこの標高なんだけれど 360度の展望に興奮
向島の先に因島生口島 大三島と島が重なる。
それを繋いでいるしまなみ海道は 自転車で通行できるとかで 昔息子が四国から自転車で渡ったことがある。
これだけ島が重なっていると そりゃ四国は見えなくても不思議は無いね
向島にも思ったより沢山の人々が住んでいる。
帰りは 約束通り歩いて降ります。 文学の小径と呼ばれる道を通って・・・
著名な文学者 尾道にゆかりのある文学者などの作品が刻まれています。千光寺にも寄っていきます。 巨石の上に 丸い岩が乗っているとか お餅のように三段重ねの岩だったり・・・なかなか面白いです。
この岩には秘密があったのです。反対側に回り込むと 鎖場になっていて石鎚山って名前がついています。
男坂 女坂のコースに別れていますが・・・・
手前に大きくせり出していますが いけないことはなさそうです。
でも みんな遠巻きに見ているのです。
無理だよなぁ・・・・って
私 挑戦してみました。 鎖は案外大きいので足がしっかり入ります。 あ 大丈夫・・・と思ったのですが カメラが邪魔で・・・亭主に持っていて貰おうと戻ったら みんなの視線が・・・
あんなばあちゃんが登ろうとしている
って言っていることが感じられます。
と まず ちびっ子がやってみる~と登りはじめ お母さんが「お兄ちゃん危ないからついていってあげて」と 列が出来 やがて 冷ややかな視線を浴びせていたお母さんも「私もやってみようかな?」って
いえ 別に良いんですよ 出来ることは挑戦しないと・・・
尾道が文学の町と言われる所以の一つ 志賀直哉の家と中村憲吉の家
志賀直哉のお家の前は尾道の海が見える。
こんな景色がみんなに人気があるのだろうか?
しかし亭主が言った。
「こんな所に住めんよ」 もし私の家が志賀直哉の旧宅の辺だったら・・・・・元気なうちは良いけれどねぇ 車は入れないし
尾道が観光に力を入れて 楽しんで回れるようにしているのは痛いほど分かるけれど 実は廃屋がいっぱい。 カーテンがしょうが抜けて ぶら下がっているのはまだしも 傾いて危険な様子になっている家もいっぱい。
住んでいる人は その中で快適に暮らしているけれど 誰にもそれが当てはまるわけではなく 坂道の町がこれからどうなるか ちょっと考えてしまいました。
旅する人よ の呼びかけと暮らすことの難しさ
カメラの目線で、どこまでも坂を登ります。
長崎などが良く登場します。
坂を登れば、未知の世界があると思いたくなりますね。
坂の上にまた坂があり、他所の庭先を這様に登り続けます。
尾道も同じですね。
確かに坂道や 曲がり角にはわくわくする思いがありますね? あそこまで行ったらどんな景色が開けているんだろう?
あそこまで行ったら 振り返ってみよう。あそこまで行ったら。。。。
ちょっと人生にも似たわくわく感
ただ 私も膝を痛めてからは お散歩ではなく 生活のために歩くとなると きついなぁと思うかもしれません。
ロマンと現実の距離を出来るだけ縮めることが出来ることが生活を楽しむこつでしょうか?