「トラーバープシーカーオ」第17話

第17話
ヌーレックが意識を取り戻したと聞かされ、アノンはすぐさまヌーレックのもとへ。犯人への手掛かりを聞きだそうとするのですが、ヌーレックは再び眠ってしまいます。ゲーオは、ソンクラーンはアノンの息子であることを本人に伝える決心をします。しかしドゥアンは「ソンクラーンの本当の母親を殺してしまったことも話さなければならなくなる。そうなったら、ソンクラーンはあなたに対してもう前と同じような気持ちは持てなくなる」と反対します。ファーの父親は、19年前の事件をいまだに解決できない自分を責め続けていました。「あのときのアノンさんの目が忘れられない」とファーに打ち明ける父に、ファーは「悪いことをした人には必ず報いがある」と父を励まします。

引越しの準備を進めていたソンクラーンは、部屋で泣いている母の声を聞いてしまいます。そっと部屋に入り、母の様子を見るソンクラーン。「もう泣かないで」と励ましの言葉をかけるソンクラーンに、ゲーオは「あなたは引越ししなくてもよくなった」と告げます。突然のことにソンクラーンは驚きながらも、うれしくてたまりません。「あなたをずっと愛し、待ち続けていた人とこれからは暮らしなさい」というゲーオの言葉に、何も知らず「ありがとう。本当にありがとう」と跪いて何度も感謝の言葉を口にするソンクラーンに、ゲーオは涙が止まりません。夜、ドゥアンはゲーオとウアイの前で公衆電話からアノンに電話をかけます。「明日朝6時、おまえが19年前に別れた息子にあわせてやる」とだけ告げ、電話を切るドゥアン。アノンは驚き、混乱しますが息子が生きていることを確認するため、約束の場所に行ってみることを決意します。

眠っているソンクラーンのもとへ行くゲーオ。ソンクラーンを起こし、19年前、殺してしまったソンクラーンの実の母が持っていたペンダントを渡します。「僕には関係のないものだって言ったのに」と困惑するソンクラーンに、このペンダントと、この缶の中身を見せれば、あの人がすべてを話してくれる。私からはこれ以上話せない」としか言えないゲーオ。ソンクラーンは困惑しながらも缶を受け取ります。約束の時間に家を出ようとするアノン。母に「どうしても行くの？」と尋ねられてもアノンの気持ちは変わりません。アノンが出かけた後、アノンの母はファーの父に連絡を入れ、アノンが息子にあうという話をしてしまいます。ソンクラーンも家を出ようとしていました。「僕が帰ってくるまで出発を待っていてくれるんだよね？」とドゥアンとウアイに尋ねるソンクラーン。「じゃ、すぐに戻ってくるから」というソンクラーンを思わす引き止めてしまうゲーオ。ドゥアンに支えられソンクラーンを見送ったあと、ゲーオはソンクラーンとの別れに涙を流します。気を取り直して家を出ようとした3人でしたが、そこへポーンがやってきます。「俺から逃げるつもりだったのか！」と暴れるポーン。騒ぎを聞きつけ、隣の雑貨屋のおやじが駆けつけてきます。

ポーンはナイフを出してドゥアンに切りかかってきますが、ドゥアンも鍵を手に応戦。もみ合いになります。雑貨屋のおやじたちが外から鍵を開け、ポーンを殴りつけます。ポーンが意識を失ったのを確認し、3人の無事を尋ねるおやじにお礼もそこそこに3人は出て行こうとします。「ちょっと待って！ソンクラーンは、ゲート叔母さん（ゲーオのこと）は引越ししないと言っていたけど」と呼び止められますが、3人は何も言わずそのまま車に乗っていってしまいます。アノンとソンクラーンは、待ち合わせ場所に到着したもののそれらしき人物が見当たらず、お互いに相手がそうだとは知らずにあちこちを探し回ります。

母と別れることになるというのに、無邪気に喜ぶソンクラーン。

ゲーオとソンクラーンの別れ・・・全編を通して今日は「Zen...」のBGMがよく流れていましたが、Zenファンの私としてはなんだか不思議な感じでした。ソンクラーンの幸せを願って、アノンにソンクラーンを「返す」という選択をしたゲーオ。しかしソンクラーンはそれがゲーオとの別れになるとは思ってもいないんですよね。もちろんアノンもまだこの事実を知りません。ソンクラーンがアノンの息子だということは、ゲーオが何者で、なにをした人間かはおのずと分かるはず。愛する人に自分の犯した罪を知られるのはゲーオにとっても辛いことです。ですが「いつか必ず報いがある」とファーも言っていたように、絶対に逃れられないものなのです・・・。