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自律神経失調症の漢方治療 ④

2007-01-21 17:34:19 | うんちく・小ネタ

異常発汗と桂枝湯(けいしとう) 甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)加減

汗が異常にでる、止まらない

などの覚醒時の発汗を「自汗」といい、睡眠中の異常発汗を「盗汗」と中国医学ではいいます。このうち、明らかな基礎疾患、たとえば結核病、ショック、膠原病、バセドウ氏病、一時性低血糖症、一部の伝染病などが無い自汗、盗汗などは「自律神経失調症」の診断を受ける場合が多いのが現実です。

異常な自汗、盗汗(寝汗)は中国医学では、人体の陰陽偏盛、偏虚、理不固のために汗液が外泄するものととらえます。

自汗の多くは気虚不固に属します。

盗汗の多くは陰虚内熱に属します。

実証 虚症の観点からは、肝火、湿熱によるものは実症に属します。病程が長い場合は気陰両虚、陰陽両虚及び虚実混雑の証が見られます。益気固表、調和営衛、滋陰降火、清化湿熱などが主要な漢方治療原則です。弁証した上で、適宜に固渋斂汗の薬を加え、治療効果を向上させることができます。

自汗(じかん) 寒気などを伴う場合

 異常に発汗し、寒気や、全身のだるさやうづき、微熱や寒気を交互に繰り返したりします。しばしば、不眠症の人が情緒不安定時に汗を大量にかきます。舌苔は薄白、脈は緩である場合が多いようです。これらを漢方用語では栄衛不和といい、営気は汗の元になる血をつくる気が営気であり、体表の理(そうり)(毛穴)を固め外邪から生体を守るのが衛気です。この営気と衛気のバランスが崩れた状態です。

調和営衛を治療原則とします。

桂枝湯(けいしとう)漢代 「傷寒論」加味

桂枝 白芍 生姜 大棗 炙甘草が構成薬です。

桂枝で解肌発表、芍薬で和営斂陰、二生薬の組合わせで、調和営衛、理を丈夫にします。生姜、大棗、甘草で和中の効能を求める。

発汗が多い場合や不眠や動悸がある場合には、竜骨 牡蛎(ぼれい) 茯神を加え、鎮静安神、固渋斂汗の効能を求めます。

気虚症が明らかな場合には、黄耆を加え、益気固表を期待します。

体が重く、舌苔が膩(厚い)の場合には、内湿の関与を疑い、防風、白朮を加え、祛風化湿止汗を期待します。

陽虚の者には附子を加え、温陽斂汗を行います。

半身、或いは局部に汗が出る者には甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)を併用し、甘潤緩急を期します。

甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)漢代「金匱要略」

炙甘草 小麦 大棗の組成です。

金匱要略には「婦人の臓躁、しばしば悲傷し哭せんと欲し、象は神霊のなすところのごとく、しばしば欠伸す、甘麦大棗湯これを主る」とあります。黄帝内経には「心病めば麦を食うべし」「肝急に苦しめば、急ぎ甘を食し、以って急を緩む」とあります。心の陰(血)不足による心神不寧(ぼんやり、悲哀感、よく泣く、不眠、欠伸、異常行動)に効果があります。

経験的に桂枝湯と甘麦大棗湯の組み合わせに竜骨や牡蠣(ぼれい)を加味することによって、異常なコントロール不能な自汗に有効であると中国医学は説いています。

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2007_121_001

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牡蠣(ぼれい):重鎮安神 益陰潜陽 軟堅散結 制酸効果 収斂固脱

イタボガキの貝ガラ(上)煎じ薬用製品(下)

高血圧症 肝硬変症 脾腫症 胃酸過多症 自汗盗汗 過多月経 帯下病など適応症が広い。

異常発汗には牡蠣散 柏子仁丸、遺精滑精などの精液漏出には金鎖固精丸、

過多月経や帯下病には牡蠣丸 清帯湯などが有名。

続く、、