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BREAK the EVANGELION

2009-06-30 20:12:47 | Anime(アニメ・コミック)
■「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.0 YOU CAN(NOT) ADVANCE.



本日にようやく「ヱヴァ新劇場版:破」観て来ましたわー---これでもうネタバレ踏(テンプレ
とりあえず雑感としては単なる「序破急」の「破」ではない、正に正真正銘の「破」であった物凄い内容に、上映終了後の暫くは、興奮から手足が僅かに震えてしまうくらい面白かった次第。
どうやらそれは周りの方々も同じだったらしく、スタッフロール→Cパート+予告(※なので、間違ってもスタッフロールで席をお立ちになりませんよう)を経て、場内照明が戻った瞬間に上がった大きなざわつきと歓声を耳にするに、やはり物凄いものを観たという感想は、多くの方々が共有していた様子ですね。

ともあれアレコレと書き連ねてみようかと思いますが、やはり他所でもそうであるように、ネタバレ回避を考慮して反転表示にて取り扱いますので、あしからず。
ちなみにパンフレットの表紙をこんな風に撮影しているのもネタバレ回避---と言うか、表紙そのものがネタバレなので写せない上、パンフ自体も「WARNING! DO NOT OPEN THIS BEFORE WATCHING THE MOVIE.」(=注意!本編鑑賞前に開けちゃダメよ)と書かれたシールで封印されている上、更に重要なシーンのカットは袋綴じがされているという徹底ぶり---になっていたり。

それでは以下、反転表示。



[概要]

前作「新劇場版:序」は、TVアニメ版:第壱話「使徒、襲来」から第六話「決戦、第3新東京市」の大筋をなぞりながら“再構築”されたものでしたが、今作「新劇場版:破」でも、TVアニメ版:第八話「アスカ、来日」から第拾九話「男の戰い」まで(※一部エピソード除く)をベースラインとしてはいるものの、その中身は大きく異なり、しかも最終的にシンジが置かれている状況としては旧劇場版に至っている部分もあるなど、正に「破」=「新世紀エヴァンゲリオン(旧作)」の破壊だった次第。


[真希波・マリ・イラストリアス]

「破」の幕開けは、マリの搭乗する仮設5号機と、まるで骨だけの竜か百足のような第3使徒“の一部”との北極基地での戦闘からスタート。
前作「序」においては「第4使徒:サキエル」と、旧世紀版とはひとつナンバリングがズレていましたけど、件の第3使徒はどうやらバラバラになっていたかで封印されていたらしく。
ゆえに仮設5号機の呼称が“封印監視特化型限定兵器”になっているのでしょうが、第3使徒には其処までの価値があったのか、それとも旧世紀版同様に消滅した4号機同様、S2機関に関わる実験の為に捕獲していたのか。
なんにせよ、逃げ出した第3使徒の一部を殲滅すべく、マリは仮設5号機にて出撃---しかし本編開始わずかにして、使徒にトドメを刺すと共に消滅してしまったという罠;
直前にマリは脱出していたものの、どうやらこの件には加持も絡んでいて、要するに使徒殲滅の名目を借りた“自爆プログラムによる”仮設5号機の廃棄=EVA開発の遅延に本当の目的があった様子。
それが誰にとっての有益なのかは不明ながら、やがて4号機の消滅を経て、問題の3号機の日本のNERV配備へと繋がっているのは言うまでもなく。
ただ、この世界設定では「各国のEVA保有数は3機まで」なるバチカン条約があるとのことで、その成り行きが途轍もない悲劇を生み出す事に…。

さて、そうした登場を果たした新キャラクター・マリですが、パンフ掲載の鶴巻監督へのインタビューでも触れられていた通り、これまでの「エヴァ」を破壊する顕著な存在としての役割を持ちながら、その登場初っ端から、これまでの情報からイメージされたマリ自体のキャラをも(結果的には良い方向で)破壊してくれましたね。
いきなり「365歩のマーチ」を歌いながら出撃するなんて、何処の昭和テイストなデコトラ運転手だとw
しかも相当な個性の強さと、戦闘を含めて常に状況を楽しんでいるかのような立ち振る舞いに、真綾さんの荒っぽい演技が加わり、非常に面白いキャラになっているのは間違いないかと思われ。
もっとも、彼女の正体は「破」では明らかにされず仕舞い…とある一件の所為で空席となっていた2号機を“自在に”操縦してみせたりしたものの、何処の手引きで動いているのかも判然とせず。

2号機に搭乗、というあたりは旧世紀版のカヲルに似ていますが、当のカヲル自身は月から6号機(Mark.6)で出番待ち、最後に途轍もない見せ場を。
此方も此方で、なにかしらの含みを持たせたシンジへの言葉やら、誰に(おそらくはゲンドウに)向かって放ったか「お父さん」なる意味深な発言が気になるところながら、やはりマリ共々、その正体は次作を待つしかないと。

ともあれマリは、それなりの巨乳キャラであるらし(


[式波アスカ、来日]

先述した通りに「破」のストーリーベースは、TVアニメ版:第八話「アスカ、来日」からですが、あの八艘跳びに魅了された海上戦闘云々は、空中からの対地戦へと差し替え。
ゆえにあの飛行ユニットの存在があった次第ながら、その裏には“第八話の原画紛失により、バンクが使用出来なかったから”という理由があったそうで;
ともあれ、まるで“水飲み鳥”のような第7使徒目指して、高高度から降下しながらの戦闘は迫力満点でしたし、決め技がスーパーイナズマキック(電撃エフェクトはありませんがw)というのも良し。

そうして初戦を見事に飾ったアスカは、早速レイやシンジに突っ掛かったり、自分ひとりでなんでも出来ると強がったり、更には自分の存在を戦い=EVAにしか見出せないところも含めて、ほぼまんま当時のアスカそのものですね。
もっとも、旧世紀版のように加持さんベッタリではなく、NERVへ来た時期は同じながら、特に2人に密なる接点は無いようで、このあたりが「破」における、アスカというキャラクターへのアプローチの差なのでしょうが…そのアプローチの差が、よもやの展開を招くことに。

そう言えば、加持も相変わらず飄々とした感じながら、旧世紀版とはNERVへと運んできたものが異なりますし、そうした変化が具体的になにを齎すのか。

それにしても、アスカはどうにも今回のサービス担当らしくw
アングルが際どい縞パンやら、シンジの同様のシーンを想起させるオールヌード、そしてテスト用のプラグスーツ(確か初期項のデザインにもそんなのがあった記憶がありますが、その実はCDドラマに登場した透け透けのアレかと)の露出具合やら、もうなんと言いますかゴチソウサマ(マテ

ちなみに、アスカの持っていた携帯ゲーム機は、あの起動音からしてもワンダースワンでしたw


[碇シンジ育成計画]

いや、別段にそれそのままではありませんが、レイが顕著にシンジへの好意を示し、諸々あってゲンドウとの仲を取り持つべく、自分が手料理を振舞う食事会に2人(+アスカ)を誘ったり、アスカがそれに対抗して、自分も手料理を始めてみたり、更には指の絆創膏(=料理中の切り傷)の数を比べてみたりと、マリがシンジとのファーストコンタクトで、胸からシンジの顔に突っ込んだハプニングも含め、各種サービスシーンも踏まえれば、なんだか一歩間違うと“あの作品”になりかねずw

当然、そんな幸せな時間があるからこそ、後半の展開が重く響いて来るのですけどね;


[赤い海の秘密]

どうやらあの印象的な「赤い海」については、セカンドインパクト後に変質したものだそうで、その中に生命は存在していないとのこと。
ただし、大規模かつ厳重に管理された浄化設備があれば、セカンドインパクト前の青い海、つまりは生物の溢れる場所へと戻すことが出来るとかで、現在はほんの、かなり小規模な一部を浄化し、其処にかつての魚介類を生かす、言い換えれば水族館のような状態に。
更にはこの世界では、自然食品というものが枯渇しているらしく、人工肉を食べるのは普通、更にスイカなども珍しいとなれば、表面的にはそう見えずとも、食糧事情は結構大変な世界になっているのかと思われ。


[使徒]

「序」においては、第6使徒ラミエルは兎も角、まだ旧世紀版のデザインを色濃く引き継いでいた使徒ですが、詳細不明な第3使徒と、3号機を侵蝕した第9使徒は別として、かつてのマトリエルっぽい、水飲み鳥のような第7使徒に、特徴としてはサハクィエルながら、最初の球状形態はレリエルっぽく、CG処理で不気味な存在感を放つ第8使徒、 そして形状はゼルエルながら、その身体全体が布のようになっている第10使徒---という感じで、実に大胆なアレンジがかけられていた次第。
しかも、旧世紀版では弱点だった場所を補完するような、能力的なアレンジ---たとえばマトリエルの際はただ漠然と落下するだけだったものが、正確な軌道変更や、初号機に受け止められた際には下部から人形が出現、動けない初号機を攻撃するなんてシーンも見られ、ひと筋縄ではいかなくなっている様子。
こうしたアレンジ、いや進化と言うべきか、ある意味で適切過ぎる補完をしている感じがしないでもなく、カヲルの前作からの意味深なセリフも踏まえて、仮にこの世界が本当の意味で“再構築”=やり直しの世界だとしたら…?


[テストパイロット]

レイ主宰の食事会が近付く中、アメリカでの4号機消滅事件が発生し、事態はきな臭い方向へ。
しかも3号機の起動実験を日本で行う日付が、その食事会と重なり、旧世紀版での展開を想起すれば、それが酷く辛い現実へと繋がるのは容易に考えられたものの、「新劇場版:破」は此処からが真骨頂。

なんと、3号機のテストパイロットに選出されたのは、トウジではなくアスカという衝撃の展開。
直前のトウジ絡みのシーンは、全てミスリードだった訳ですが---実は先述のバチカン条約の存在で、3号機の起動実験を日本で行う為には、どれか1機を封印しなければならなくなり、それならば未だEUの影響を受けるという2号機を封印、自分の存在意義を奪われたアスカは3号機のテストパイロットとして、実験に参加することになったというのが事の成り行き。
それでもアスカは、シンジたちとの生活環境の中で徐々に感情に変化が生まれ、この実験も、それこそ“実験が成功したら、機体を赤く塗り替えてよね”と言い放つくらい前向きに、自分の中の変化も素直に受け入れられるくらいに変わり始めた、そんなところで酷い現実が---。


[今日の日はさようなら・翼をください]

使徒の侵蝕により、暴走する3号機。
其処にアスカが乗っていると確信し、戦うことを拒絶するシンジだったが、しかし…。
旧世紀版と状況は似ているのに、パイロットが誰なのかが明確に分かっていること---それがトウジであれ、アスカであれ---こうまで残酷であり、しかもそのシーンでのBGMが「今日の日はさようなら」なんて選曲に、何処まで辛い展開を演出するのかと;
更にクライマックスシーンでのBGMとして、今度は「翼をください」を流しているあたり、曲調そのものの相性は兎も角、楽曲そのものをストーリーのイメージと重ねて用いているのは言うまでもありませんが、あえて残酷なシーンに「今日の日はさようなら」を用いる感覚は、実に“らしい”と言えなくも。

でも、間違いなく「今日の日はさようなら」は、ひとつのトラウマスイッチになりました(ぇ


[裏コード:THE BEAST][男の戰い]

あえて詳細は語りませんが、前者はまた物凄い設定を作り出したなと。
確かに旧世紀版でも、初号機が似たような状態に陥ったことがあるだけに、それなれば---というのが妥当な線ですし、更には旧世紀版と立ち位置が逆転した、第10使徒の恐るべき能力も併せて、よもやあそこまで“破壊”してしまうとは、ただただ驚くしか。

そしてクライマックスである初号機と第10使徒の戦いは、(良い意味で)旧世紀版そのままのシーンもありながら、その果てにある“取り込んだものの違い”や、よもやの“否定”と“熱い叫び”には、もはやこれが「ヱヴァ」であることを忘れさせるくらいの衝撃を受けましたね。

それにしても、ヒトの域を超えるというのは、マリやシンジの頭上に浮かんだアレが連想させるに---それはつまり。


[新劇場版:Q Quickening]

スタッフロール後、更に衝撃のCパートを挟んで、果たして「新劇場版:序」と同様に次回作「新劇場版:Q」の次回予告が。
またアレコレと断片的な情報が提示された訳ですが、エヴァ8号機とかなんですかそれw
ところで「序破急」の「急」=「Q」にかけているのでしょうが、それに続く「Quickening」もそのままの意味なのでしょうが、なにやら「胎動」という繋がり有り気な意味も存在するだけに、やはりその関連性を考えずには。


「さぁて、この次も、サービスサービスゥ!」




---という訳で、最後の方は諸々思うところから断片的になりましたけど、其処はもう実際に本編を観て、あの興奮を味わった方が早いとでも言いますか。
ともあれ、見事なまでに“破壊”された「ヱヴァ」を未だご覧になっていない方は是非に、または来る7月3日に地上波にて放送される「新劇場版:序」を観てから、劇場へ足を運ばれる事を強くオススメしますわ。


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関連として。
過去記事を調べてみれば、前作「序」の際は2日間の興行成績が2億8000万円だったらしいだけに、この伸びはそれだけ続編を待ち焦がれていた方が一挙に詰め掛けたということか。

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