それは奇妙なスクールデイズ

■神羅万象チョコ ゼクスファクター・第1弾（2010年4月5日発売）

※記事履歴：「月・駆・火・刃」（2010-04-12）＞「ようこそ、鳳凰学園へ」（2010-04-14）

今回は朱雀組の面々を。


◆爆炎の転校生



◇008　 鋼鉄乙女（アイアンメイデン）マリオン
＜Power 12・Potential A（属性：朱雀）＞ 名前：MARION-HM08[機人（女）・408歳]
◇009 　炎鎚（えんつい）のキリコ＜Power 7・Potential C（属性：朱雀）＞ 名前：南条院キリコ[翼人（女）・16歳]

鳳凰学園の入学審査＝因使としての素養を示す適性検査に合格したカイは、とりあえずカリンの神具：炎王剣ヒノカグツチを手にしていたゆえか、朱雀組一号生として編入されることに。
この場合の一号生とは、同じ朱雀組一号生に14歳のルリ丸、または麒麟組ニ号生に12歳のルルイエが在籍している点、そして鳳凰学園が一般的な“学園”の意味合いとは異なる、因使の養成機関である点からも、履修一回生として捉えるのが妥当ですかね。
転じて鳳凰学園は、因使の素養が示せれば何歳でも入学出来る、ある意味でアカデミー的な機関ということになるのでしょうが、年齢的な偏りが高等学校就学：16～18歳程度に多いのは、このくらいが卒業後の進路も含めての適正年齢だからなのかな。



ともあれ、カイが編入した朱雀組、おそらく号表記が無いので全体の担任教師を務めているのが、かつて何処かで見聞きしたことのあるような名前と容姿と設定のマリオン先生。
ぶっちゃけ旧シリーズの第一章、第三章に登場した「巨重星ピグマリオン」そっくりな訳ですけど、その存在はパラレルワールドでのピグマリオンなのか、それとも旧シリーズの彼女となんらかの設定的な繋がりがあるのか、或いはただ単にパーツ的な共通点を持たせて、新シリーズとなっても「神羅万象チョコ」であることを直接キャラクターとして残したのか。
なんにせよ、ちょっと個性的な感性の持ち主のようで、特殊な能力を持つカイには“研究対象”として興味を持っている様子ながら、当の本人からは軽く受け流されてしまっているみたいですね。

ちなみに彼女の神具：炎縛鎖マリシテン（摩利支天）、その魂獣：パルテノンという名前も“処女”の意味を持つらしく、それもまたふたつ名の「鋼鉄乙女（アイアンメイデン）」に通じているとも…まぁ、アイアンメイデンと言えばまずあの拷問具が（

南条院キリコは、カイやエッジ、ルリ丸が属する朱雀組一号生の学級委員長。
彼女の実家である南条院家は、代々に渡って優れた朱雀の因使を輩出している名門だそうで、元々からして種族：翼人は高い魔力の素養を兼ね備えているとなれば、やはり名門の根底にあるのは血筋によるものか。
しかして規格外のカイは兎も角、クラスメートであるエッジ＜Power 6・Potential C＞やルリ丸＜Power 3・Potential A＞に比べて“Power”の数値こそ上回れど、秘められた能力＝潜在能力を表すPotentialは下から2番目のCと、名門の家系出身の因使にしては、今後の伸びしろや数値以上の大幅な能力向上は望めないかと思われ。
そのあたりをつぶやきなり「完璧大全」のノベルみたいなものなりで、もう少し掘り下げてやれば、クラスの和を乱す行動を続けるカイと衝突が絶えず、遂には彼が厭きれるほど生真面目に注意を繰り返す理由が、ただ“学級委員長だから”ということではなく、名門の家柄でありながら伸び悩む自分へのコンプレックスの裏返し---なんて補完も出来そうですけど、線画段階で存在していた“カリンを尊敬している”という設定が生きているならば、そんなカリンが自身の神具を託した相手だからこそ、カイにはキチンとしていて欲しいと思っての衝突であるとも考えられるので、諸々さすがに妄想が過ぎるとは言え、なにかしらの補完が成されれば面白いかなと。

ところで彼女の神具：炎鎚タヂカラノオ（魂獣：パティ）は棍棒（メイス）型の神具なのですけど、その名前からして元ネタが「アメノタヂカラオ」という力の神だけに、見掛けによらず打撃・殴打系が攻撃の中心なんじゃ…そしてふと撲殺天使なんて単語が（マテ


◆“悪友”と書いて“ダチ”と読む！



◇010 　エッジ　＜Power 6・Potential B（属性：朱雀）＞ 名前：新田鋭児[竜人（男）・16歳]
◇011 　ルリ丸　＜Power 3・Potential A（属性：朱雀）＞ 名前：柴居瑠璃丸[獣人（男）・14歳]

カイとは朱雀組一号生のクラスメイト、そして学生寮のルームメイトでもあるエッジとルリ丸。
この「ゼクスファクター」もある意味では学園モノだけに、お約束に欠かせない定番キャラとでも言いますか、なんとも珍妙な“優良不良少年”であるエッジはカイをライバル視して、なにかと勝負を繰り返している内に“悪友”と呼べる関係となり、そしてルリ丸は不良たちに脅されていたところをカイに助けられ、以降は憧れを抱きながら行動を共にするという、作品が作品なら“3バカトリオ”みたいな括り方をされそうな、どちらも正に王道パターンのキャラクターですね。

加えて、この2人に位置づけられた、もうひとつのポジションとしては、その種族で持てる神具が限定される訳ではない、そして種族と神具の相性が必ずしも最適（S）ではない組み合わせも普通に存在するという、ひとつのモデル。
公式にて公開された「種族」設定によれば、エッジ＝竜人：朱雀の神具の相性はB、ルリ丸＝獣人：朱雀の神具の相性はAとなっているので、潜在的な能力を示すPotentialについては兎も角、それがPowerに影響している可能性はあるやもしれず。

ちなみにエッジは、コーム型の神具：炎櫛クシナダの魂獣：又吉と主従関係が逆転しているという珍しいモデルケースでもあるのですけど、まぁ、それはそれとして（

ところでカイは「紲晶石」の探索を目的に鳳凰学園へと編入した割に、なんとも充実した風のスクールライフを送っているようでｗ
果たしてカリンが襲撃されている現場に立会い、不意を突いた必殺の一撃で深手を負った彼女に対し---寝覚めが悪いから、ちょっとだけ助けてやる---なんて、結果的に彼女を窮地から救い出す行動をしていますし、なにやら置かれた状況を楽しんでいる節があるような気がしないでも。


※次記事：「竜・翼・獣・魔・人・機」（2010-04-18）に続きます。