三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

送信管 6883 を TS-520V で実験

2024-02-11 07:12:04 | 日記
前回に続いて TS-520V に絡む話題です。
TS-520V はかつてトリオ(その後のケンウッド)がアマチュア無線家向けに販売した短波無線機です。同じシリーズには末尾が D, S のタイプがあり,それぞれ出力 50W, 100W だったと思います。V は 10W です。
機器の構成は終段とその前段のみが真空管式で,残りはすべて半導体(トランジスタ)回路です。そして,10W 型は終段管が S2001 というビーム出力管1本。100W 型は2本を並列に使用しています。(50W型は1本?それとも2本?)それで基本構成としては終段管2本用に設計されており,1本(10W)の場合はもう1本を抜いています。もちろん,それに伴って若干の回路変更が必要です。
(注.TS-520D という型が本当にあったかどうか?うろ覚えです。間違っていたら御免!)

ところで,真空管のヒータ電圧は 6.3V ですが,終段管2本の場合に都合のよい(?)ようにヒータ電源は 12.6V です。つまり,2本の場合はヒータを直列に接続しているのです。ですから,1本の場合は抜き去った真空管のヒータの代わりに抵抗器をつないでいます。6.2Ω,7W という抵抗器がシャシ内部にはんだ付けされています。

上の写真の右上に見える白い長方形のものが件の抵抗器です。一般にセメント抵抗と呼ばれていますね。

しかし,6W もの発熱体がシャシ内部にあるのが以前から気になっていました。熱がこもります。
そこで,ヒータ電圧が 12.6V のものを探していたら,何と 6146 というビーム出力管と同一仕様で,ヒータ電圧のみ 12.6V の物が見つかりました。6883 という球です。さっそく購入。
そもそも S2001 という球はこの 6146 の廉価版(?)ということです。そのまま差し替えがきくとのこと。(実際はヒータ電流が異なりますので,上記の抵抗値を変更しなければなりません。)

下の写真の左から,S2001, 6146, 6883 の各真空管です。

今回,この 6883 に交換して実験してみました。
原型の終段部分のシャシ上面です。

S2001 は埃をかぶっていてガラスの透明感がありません。隣にもう1本の真空管用の穴が開いているのがお分かりいただけるでしょう。

今回,この空いた空間部分にヒータ代用の抵抗器を移設しました。発熱対策です。そして,2種の真空管の特性比較がしやすいようにスイッチでこの抵抗を挿入したり,直結したりできるようにしました。

改造を終えて 6883 を実装したところです。セメント抵抗とそれを支える金具,さらにその金具に取り付けた切り替えスイッチがお分かりいただけますか?

中和などの再調整が必要かもしれませんが,とりあえず電源を投入して無線機テスタで送信電力を測定しました。10W を超える電力を確認。まずは機能しているようです。
気になるのはスプリアス(不要輻射)です。

ちょっと見づらいでしょうが,一番高い第2高調波は基本波より 50dB 以上低い値になっています。
取り敢えず満足のいく結果が得られたということです。
以上

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