やむやむやみー

やみーのやむやむな毎日

つながり読書110 「獅子吼」 浅田次郎

2017-08-26 17:20:34 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!


「鈴木光司と13人の父『父親業は愉快だ!』」の13人のうちの一人、浅田次郎というつながり。

6篇からなる短篇集。

「獅子吼」や「うきよご」、「流離人」は時代背景がはっきりしているが、なじみがない分

イメージするのが難しい。「帰り道」はギリギリ当時のドライブインの様子と重なる記憶がある。

トイレは暗く、汚く、食事は味が濃い、でもみんな車でどこかに行くことにウキウキしてる、

そんな雰囲気。

「ブルー・ブルー・スカイ」と「九泉閣」は現実味があるような、ないようなフワフワ感。

いずれにしても読んだことのある「月のしずく」「鉄道員」とはまるで印象が違うので驚いた。






うちにあった本パラパラ

2017-08-19 14:03:09 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!


☆「クビ!」論。梅森浩一 

仕事が遅い社員は切られる

欧米の文化、外資系の会社はスピードを求められる。

丁寧にやることで遅くなる、それが会社の利益を上げるためだと説明できないのなら

自己満足の可能性あり、求められた最低限をまず早く仕上げることが重要。


ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー


会社という組織があなたに求めているのはある一定以上のスピードですよ、ということに

気が付かないまま社会に出てしまうことが往々にしてあるような気がする。

私もそうだった。


就職したての頃の研修では・・・

「終わった方は、そこで待ってて下さいね」

そんな優しい声に

「そっか、別に遅くてもいいんだ、丁寧にやろ」と思った部分が確実にあった。

「ゆっくりやれば誰だってできんだよっ!」とは誰も言ってくれない。


当然、現場に出て求められているスピードに初めて気が付き、焦りまくる。


どんなスピードが必要か、それは会社という組織に入ったらまず

捉えなくてはならないポイントなのかもしれない。










食糞

2017-08-19 09:37:32 | ボックと暮らす
ボックは自分の◯◯◯を食べます。

犬を飼うまで、犬がこういうことをする(こともある)というのをまったく知らず

現場を見たときは、驚きと怒りが頂点に達し、ただただ

ぶぉっくううっ!

と叫ぶことしかできませんでした。

それからいろいろ策を試みるも効果なくここまできてしまったので

とにかく排泄したらすぐ取る、という手段でのみ対処しています。


先日ネットのニュースの中に、食糞の意外な原因、のようなタイトルがあり

すっかりその手のネタに飽きていたものの読んでみたら、ん?むむ?と反応。

以降まだ数回ですが、物は試しと実践しています。


内容は犬が排泄したときの飼い主の反応が、食糞につながっているのでは?という

ものでした。

私たちがたとえご飯中であろうが、お客様と話していようが、犬はタイミングをうかがいつつ

排泄をしたりしないでしょう。たとえタイミングに問題なくても◯◯◯を拾うという

作業をルンルンとはやりません。犬はそれを感じ、ならば根源をなくしちゃろう、と

思っているのでは?と言われたら、思いっきり思い当たります。


私が思っている以上にボックは私たちの感情を読んでいると日々思います。

たとえあからさまに嫌な雰囲気を出していなくても感じている可能性はあり得る!


そこで飼い主にできるのは、排泄時を楽しくさせる、褒める、喜ぶを実践する、だそうです。


というわけで

最近はボックが排泄スタイルに入ったとこで

「お!いいねーボック、快便大事!おりこうだねえ、わー健康的な◯◯◯!」





つながり読書109 「樹海」 鈴木光司

2017-08-16 22:29:25 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!


前回朱川湊人が結婚後、専業主夫時代があった、というつながりで鈴木光司。

樹海とどこかでつながった6つの作品のオムニバス。

ということに最初気付かず、「リング」や「らせん」の読者としては、この路線で続くホラーかぁ、

これはこれでコワイかも、と思っていたら違ったのでちょっと拍子抜け。

パーソナルな「死」であっても、植物、動物、海、陸、地球、宇宙・・・というスケールに

近づけて考えることもできる、と教えてもらった気がした。




各章のあらすじ一行と、私がつけたテーマ。



原田正吾 樹海で自殺した男。意識だけが残った状態で世界を見つめ続けている。

     「肉体が死ぬということを想像してみる」


井口輝子 樹海で自殺をとどまる。虐待して別れた息子は原田の父を介護施設で殺した事実を知ると同時に孫の存在を知る。

     「生きていくために、不幸を作り出すことをやめられない人間も存在する」


細田剛  瀕死の状態のまま樹海に捨てられた男。

     「何も分からぬまま死ぬこともあれば、何も分からぬままその死に加担していることもある」


篠沢遠子 隠し子が樹海で死にきれず別人となって生きていることを知る。
      
     「みんな死ぬのだから、どんな死に方も大差ない。狭められていく世界だからこそ何をすべきか

      見えてくることがある」


矢掛弘  遠子の叔父として遠子の隠し子を助けたい気持ちが結果的に幸信につながる。

     「幸運だと思うときは根の部分で働く力あってのこと」


君子   植物になりたかった和之が死に、その死体を置いたまま君子は生きる選択をする。

     「いい役、損な役、どちらも存在するのは仕方ないことだ、あきらめろ」       










つながり読書108「花まんま」 朱川湊人

2017-08-09 23:09:22 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!


第133回直木賞候補作品「となり町戦争」から、受賞作品へというつながり。

6つの短編からなる作品。

どれもイメージしやすく、すんなり入ってくる文章。

どれも「子ども時代」の繊細な心が丁寧に描かれていて、

「妖精生物」の娘の大介さんを慕う気持ちは、女子の成長を同じくたどってきた

私としては「なぜあなた(男なのに)こんなに分かるの?」と筆者に問いたくなった。


子どもというのは実によく大人を観察している。

観察しながらも、嫌悪したり、罪悪感を感じたり、自分は違うと感じることを胸に秘めて

大人になる。表に出てこないそんな気持ちを思い出させてくれた作品。