やむやむやみー

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つながり読書91 「マシアス・ギリの失脚」 池澤夏樹

2016-09-30 16:25:47 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!


山本文緒へのインタビューの中で、好きな作品として選ばれていた、というつながり。


けっこう苦労して読んだが、苦労の甲斐がある、読み応えのある作品となった。

もちょっと年を取ってからもう一度読みたい、と思える作品。

マシアスの職は大統領なのだが、この作家、大統領だったことがあるんじゃないかと

思うくらい、その政治的な思考や悩みが細部まで描かれている。

その描写が若干くどくて読みづらさを感じたけれど、グッと心に深く響く文がちりばめられて

いる楽しさがあり、南国のひざしや風やババナの葉が見えてくるような文が魅力。


物語は題名そのまま、一人の大統領が昔の罪を暴かれることで失脚するまで、であり、

エメリアナという女性がキーマン。

彼女の描写を読むとどうしてもERに出ていたジェニーに重なる。


そして失踪した「バス」。

ファンタジックな要素として関わっているが、もしこのエピソードがなかったら、

物語はさびしくなるに違いない。


そしてケッチとヨールの最後の語らい。

「ぼくたちがたまたまアンジェリーナの館に暮らしてその幸運を持ち合わせて

 いたので、それで物語の方が寄ってきて、ぼくたちを利用した。物語って

 いつでも機会をうかがっているものだから」






医者とのつきあい

2016-09-26 22:05:46 | カラダの話を聞く
医者とのつきあい、ってビミョーだ。


樹木希林がやっていた広告、「死ぬときぐらい好きにさせてよ」は

広告として衝撃だったが、私は大きくうなずいた一人だ。


生きてる間、人間はお医者さんとの出会いがたいてい訪れる。


自分はお医者さんに何を求めて会いに行くのか?


当然治してもらいたくて行くのだが、もっと突っ込んだ具体的な希望を

持ってお医者さんに行くべきだと、最近気付いた。


原因をはっきりさせたいとか、とりあえず痛みが消えれば満足とか、

あの薬が試したいとか、CT撮ってほしいとか・・・

自分の体のことは自分にしか分からない。

その場何分しか会わない医者に、見えない部分があるのは当然だと思う。

どこでどんな風に育って、どんなことに喜び、どんなことに悩み、

どんなクセがあり、今はどんな生活で・・・すべてが今の体の一部だ。

だから、一番知ってる自分が、こうしてみてくれる?ここ調べてくれる?と

いうのが、一番納得いくことだと思うのだ。


選ばせてくれる医療。

それが私の理想だけど、まずは選ぶことをあきらめない気持ちを

いつも持っていたいと思う。


自分はお医者さんに何を求めて会いに行くのか?











自律神経失調症

2016-09-15 00:00:08 | カラダの話を聞く
最近、自分のめまいが私をお調べモードにしている。

自律神経のセンも気になる。

さらりと調べてみたけど、自律神経が乱れてる、とか、ぶっ壊れてるって

いうのはどうやって分かるのか?というのが疑問だった。


図書館で借りた本によれば・・・

☆シェロング起立検査 横になる、10分起立→血圧・脈はくの変化をみる
                     (正常時は変化の幅が小さい)

☆心電図検査 横になる、起立する→心電図の変化をみる
                 (正常時は差が少ない)

そして、

自律神経失調症によるめまいに対する薬はあるのか?


☆トフィソパム(グランダキシン)

 ガンマ・オリザノール(ハイゼット)


自律神経に関連するツボってあるのか?

☆三陰交→内くるぶし出っ張りつけ根から指三本上。
     すねの骨の後ろのくぼみ。

 太谿(タイケイ)→内くるぶし出っ張りのすぐ後ろ。


触ってみたけど、なかなか痛い。さすがツボ、なのかな。

つながり読書90「恋愛中毒」 山本文緒

2016-09-13 09:14:45 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!


第20回吉川英治文学新人賞、候補作に「秘密」、受賞作に「恋愛中毒」という

つながり。

実際に映像化されたらしいが、「ドラマを見ているような」感覚で読める本。

で、やらずにはいられないキャスティング。

思いつきだけど、ガタイがよくて、派手で、女好き、でも文章書くことを仕事にできる

頭も持ってる雰囲気・・・創路功二郎は吉川晃司。

水無月美雨は、ちょっと若いけど剛力彩芽ちゃん。

弁当屋で働いていたらすごく地味に、部屋で翻訳してたらちょっと知的、体に女性的な魅力は

少ないがオレンジの水着を着ても大丈夫、おどおどしていそうで冷静、そして、うつろな目で

「私の何がいけないの?」的なセリフを言わせたら。。。なかなかいいでないの。


まず「恋愛中毒」というタイトルにだまされた。

この本の中で、恋愛の幸せな部分だけを切り取ったような場面は、ほとんどない。

創路と水無月がうまくいっている時でさえ、不安がつきまとう。

それはまるで水無月が、そんなわけない、続くはずない、と思う気持ちが不幸な出来事を

引っ張ってくるかのように、物語が展開する。

犯罪にまで及ぶ彼女の執念はホラーに近いものがあるが、彼女の育った実家の様子、

母親との関係が彼女の人間形成に深く影響していることが、痛いほど分かる。


どこかしらみんな「変」を抱えている登場人物の中にいる変なヤツ、荻原。

彼は彼女の性質を知っていながら、関係を持った負い目を感じながら彼女から

離れようとしないキトクな人だ。

でもこのみんなが抱えている「変」は、多かれ少なかれ読者の中にもあるもの

なんだろう。だからゾーッとするのだろう。