やむやむやみー

やみーのやむやむな毎日

種から育てましてん

2015-08-28 17:53:05 | おいしいものを食べた~い
とうもろこしが大好きだ!

今年は種から育てた。

まだ気温の低い時期に種まきしないと間に合わない地域のため、

たまごパックで発芽させ、成長させた。

石だらけの庭をなんとかして地植えするとこまではよかったが・・・

どうも茎がぶっとくならない。

よってできた実も半分くらいの大きさ。

でもおいし。

つながり読書75 「いねむり先生」 伊集院静

2015-08-27 09:32:48 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
仙台在住作家つながり。

伊集院静自伝的小説。

いねむり先生とは「麻雀放浪記」の著者、阿佐田哲也であり、色川武大である。

読後の感想を短く言うとすれば・・・ずっと読んでいたかった。



時間的には主人公サブローと先生の出会いから別れまで、

内容的にはサブローの目を通して語られる、先生という多面体(イメージは球?)の魅力、

なのだが、そこにはいつも、サブローの先生に対する尊敬の念と、先生のサブローに対するあたたかさ、

がある。

ドラマチックな展開が起こるストーリーでないのにも関わらず、ずっと読んでいたかった、と

思わせるのは、「ああ人間ってこんな風に支えあうこともできるのか」と感じさせるこの二人の関係、

に他ならない。


先生という人間が持っているさまざまな面。

放っておいたら沈んでしまうサブローを救いあげられるのは、その一部にサブローと同じ暗黒面を

先生が持っているからだ。

だけどそのサブローが支えたい、守りたいと思わずにはいられない面も先生にはある。

ギャンブルをせずにいられないところ、先生の一部を見て評価しようとする人にも等しく付きあい、

尖ったものが苦手で、幻覚におびえ、そしてナルコレプシーという病を持つ。


今、本のどこを開いてもスッと二人の世界に戻れる。

そばにあると幸せ、なのはこんな本かもしれない。





















「シャイニング」 監督 スタンリー・キューブリック 特にネタがバレております!

2015-08-21 21:37:11 | ミルミル ネタバレチュウイ!!!
1980年、スティーブン・キングの同名小説を映画化したもの。

調べたところ、どうやら原作とは大事な部分が改変された模様。

原作に関する情報を読むと、なんでそのまま作んなかったの?という気がしてくる。


たとえばダニーの力を知ったハロランの存在だ。

もう冒頭から父親があやしくなる気配が高まっているのだから、見ている側としては

あの母子を助ける存在を求めている。

で、危機を感じて助けにくるまではいいけど、建物に入った(あんな無防備に)途端

瞬殺!ってのはどうなの?まあ彼が来たおかげで雪上車に乗れたわけだけど。

原作ではハロランが母子の脱出を助けてくれるらしい。


and、父親ジャックの最期だ。

映画では迷路で息子にまかれ、力尽きて凍死、という流れだったが、あのパロディとも

とられかねない彼の死に顔。。。いいのか?

原作では一瞬正気になって息子を逃そうとし、しかもだれも死なない、らしい。

「一瞬正気になる」、これはぜひとも残して欲しかった。

ダースベーダーの最期のシーンのように、とはまでは言わないけれど。


and、息子のダニーくんの空想の友、トニーの存在だ。

トニーの声に邪悪な響きを感じたが、彼は最初からあのホテルへ行くことの不吉さを

ダニーに伝えていることを思えば、味方になってくれていそうでもあり、でも父親が

完全におかしくなってからはダニーの体をのっとったようにも見え、結局どう見せたかったのか

よく分からず。


でも、だれもいない巨大な建物がこんなに怖さを演出するのに役立っているのは

映像がなせる技、なのかもしれない。







友達は選ぼう

2015-08-21 21:22:33 | あばあちゃんになった私へ
「妖怪」だと思うおばあさんがいる。

近くにいるだけで生気を吸い取られている気がする。

近くにいた人がちょっと彼女風に変化する。

私の目に浮かぶのはドラクエの「どく」の赤い文字。

キアリーだ!早くっ!

おばあさんの持っている「どく」は何十年もかけて濃縮されている。

たとえ彼女が気の毒に思えても、

たとえ自分がさびしくても、人恋しくても、

そういう人の近くにいるとどうなるか考えて、

友達は選ぼう!!!


つながり読書74 「チルドレン」 伊坂幸太郎

2015-08-20 21:52:22 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
ハラスから犬つながりで、こちら。

集まった短編の内容はどこかしらつながりがあり、犬は盲導犬ベスが登場する。

映画「ゴールデンスランバー」が気に入っているので、読んだことのない伊坂幸太郎を

選んだのだが・・・期待し過ぎたかな?

どうもどっぷりその世界にハマることができなかった。

たぶん現実味がないから、だと思う。

登場人物のキャラ、会話、ストーリー展開・・・

どれも中途半端に現実味がない。


「ゴールデンスランバー」を活字で読んだらそう思うだろうか?

映像だから許容範囲が広がるってことがあるのだろうか?


でも生まれたときから盲目である永瀬くんの感覚は新鮮だった。

何色と言われても色の概念がない。

熊、と言われても思い描けない。

知っていることを知らないことにはできない。

つまり絶対に私の手が届かない世界だ。









「ブラック・スワン」 ダーレン・アロノフスキー 監督 2010年 特にネタがバレております!

2015-08-18 18:09:49 | ミルミル ネタバレチュウイ!!!
主人公ニナの顔に見覚えがあった。

あの強く賢そうなまなざし・・・変な髪形のカツラをかぶせりゃ・・・

「あ!パドメだっ!」


でも今回のニナ役はパドメ的な強さではなく、強くなりたくって健気にがんばっちゃうん

だけど、もういつポキって折れても不思議じゃないっていう役。

それにはワケがある。

かつてニナを妊娠したことでバレリーナの道をあきらめた母だ。

娘を病的に束縛し、娘の成功を願いつつもおそらく自分より成功することは望んでいない。

小さな女の子が喜ぶようなぬいぐるみいっぱいの部屋、お着替えはいつも手伝い、

お祝いのケーキを娘が喜ばない素振りを見せようものならそのケーキをゴミ箱にぶちこもうとし、

悪そうなお友達は勝手に追い返す。

この映画の怖さはニナの精神的崩壊、妄想にあるのだが、この母が存在するという現実の方が

よっぽどコワイ。

でも、あの母におびえ、うとましく思い、だけど彼女を喜ばせる自分でいたいというニナの気持ちが

分かる人はかなりいるのではないか?

親子関係って多かれ少なかれこういう部分があるような気がする。


ニナが舞台で成功をおさめた後に、「完璧よ」と恍惚とした表情で言うあのシーン。

なりたかったブラック・スワンになれたことに対する満足であることはもちろんなのだが、

彼女の胸をいっぱいにさせていたのは、それによって母親を真に喜ばせた、という満足

だったのではないだろうか。




「39刑法第三十九条」 監督 森田芳光(1999)ネタが特にバレております!

2015-08-17 12:52:47 | ミルミル ネタバレチュウイ!!!
「精神鑑定」という言葉の背後には「刑法第39条」のようなものの存在が

あるのだろう、という程度の認識しかなかった。

事件の根っこは工藤啓輔の妹を殺した畑田修が、この法によって殺人という罪の

償いから逃れたことから始まる。

後に畑田が自分の妻を猟奇的に殺してしまうことから、詐病でなかったことが

うかがえるが、それはこの法律が結局殺人鬼を野放しにした、という事実が見える。

でももし、最初の殺人が詐病であったとしても、畑田への復讐、この法律への憎悪が

工藤啓輔から消えることはなかっただろうと思う。

それほどこの「刑法第39条」が持つ意味は重い。


傷つく被害者家族を思えば、「こんな法律なくなってしまえ!」となるけれど、

実際なくなったらどうなのか?私には想像できない。

法律を作っているのは結局愚かな人間だ、というようなセリフをリーガル・ハイの中で

聞いたのを思い出した。

人間が作り出した完璧ではないもののために、不幸な人間が生まれる。

おそらくそれはなくならない。

ただ誰であっても、被害者の家族に向って「事故にあったと思って・・・」と言い放つ

ことがあってはならない、と思う。


若い堤真一の演じる狂気、暗さをまとった鈴木京香、自信のない杉浦直樹、弁護士という仕事を

淡々とこなす樹木希林、食べ続ける吉田日出子、表面はニヤニヤしつつ仕事ができる岸部一徳・・・

すっばらしいキャスティングに魅了された。
















「サワコの朝」 ゲスト 土井善晴

2015-08-13 22:34:51 | ミルミル ネタバレチュウイ!!!
半年ほど前からだろうか。

「サワコの朝」を欠かさず見ている。かなり真剣に。

最近気が付いたのだが、私はどうもトーク番組が好きらしい。

人の話という点では講演会もトークだが、私が好きなのは人間同士が会話している姿。

先日ゲストは土井善晴さん。

「ああ料理の人だ~」なんて気分で見始めたら、引きこまれっぱなしの30分。

☆「家庭料理は民芸」

☆「まずくなるようなことしてない」(だから普通においしい)

☆「手抜きすると罪悪感あるでしょ?」(家庭料理はnotレストラン、お味噌汁とご飯と漬物でいい)

印象的だったこの3点。

たぶん新米主婦だったら同じことを聞いてもこれほど響かない。

でも曲がりなりにも毎日台所に立って17年。

このタイミングで聞けたからこそ、目からウロコが・・・を実感できた。

ありがとう。土井先生。

台所でのモチベーションが下がっているときは思い出すことにしよう。

まずご飯炊いて、お味噌汁。まずそれでよしとしよう。




つながり読書73 「ハラスのいた日々」中野孝次

2015-08-11 22:59:02 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
前回と同じ著者をつなげて読むことはしてなかったが・・・

ハラスの話を読んでいたら、どうしてもこの作品が読みたくて借りてきた。

もうダメ。タイトルだけでうるうるしそう。


生後40日のハラスがやってきてすぐ筆者は

「そしてそのとき初めて犬に向って気持が流れだしてゆくのを覚えた。」らしい。

「気持ちが流れだす」って表現がいい。

この先どこを読んでも、こう表現するにふさわしいハラスとの生活が描かれている。


「犬との絆が本当に一体となるのは実はその盛りのときを過ぎてからなのである」

というのに深く同意。

ふと犬の老いた部分を見つけたときに、人間との老化のスピードの

違いを実感させられるせつなさ。でも同時にそのころ(うちの犬は現在7歳半)には、

犬の表情とか体の感じに微妙な感情を見出したり、こっちの意志が通じたりすることも増え、

つまり「うちの犬」だから感じる愛情が積もってくる。

同意する理由はこれかもしれない。


ハラスが志賀高原で失踪した話は、必死でご主人を探すハラスも、必死でハラスを探す

ご夫妻もかわいそうでかわいそうで、熟読できなかった。

とにかく早くハラスが帰ってくるシーンにたどりつきたくてすっ飛んで読んだ。


「なんども二人で『諦めよう』と言いながら諦めきれず、『ハラスがいない』という事態を

 納得せねばと思うのですが、それがどうしてもできないのです。」

というお二人とハラスの再会シーンは、分量的にはハラス捜索より圧倒的に少ないにも

関わらず、その感動が十分伝わりここでも涙ぼろぼろ。


そして迎える寿命。

読み返すのもつらいけれど、やっぱり残されたものは亡くなった犬や人間が

「その人生を生き切った」と思うことぐらいしか救いにならない。

そういう意味でも、病気が見つかりながらも手術せずに自分の慣れ親しんだうちで、

庭でその人生を終えたハラスはとっても幸せだったと思わずにはいられない。