やむやむやみー

やみーのやむやむな毎日

ネタが特にバレております!!!つながり読書 6 「地方紙を買う女」 松本清張

2012-03-27 11:21:00 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
ジョン・ディクスン・カーは「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」で

書評を担当しており、そこに日本人として初めて掲載された推理作家が松本清張のこの作品、

という前回とのつながり。


おそらく短編と分類されるであろうこのミステリーが、映画化、ドラマ化されている

歴史を見ると、やはり松本清張が作り上げたストーリーの骨太さのおかげ、という感がある。


ネット上の情報では原作と違う展開になっているドラマもあり、見てみたい気もするが・・・

主人公芳子の影の部分は当時の時代背景あってのもの、と思う私が、果たして入り込めるか

どうか。。。


他の作品もいくつか拾い読みしたのだが、ダントツでこわかったのは「鬼畜」。

夫に浮気されていた妻の心境の複雑さがリアルに表現され、「狂気」じみた雰囲気が

ひしひしと伝わる。

夫への怒りと執着、浮気相手への憎しみ、何も知らなかった自分への苛立ち、だまされた

悲しみ。。。そして子供を捨てる、という行為を夫にさせるまさしく鬼と化した女。

そしてとうとう殺害のターゲットとなった長男は、自分の置かれた立場を知っているが

ゆえ、自分の運命に逆らおうとしない。

だが、燃え尽きようとする寸前に人間としての生命力が無意識のうちに働いてしまう・・・


あって当然のように思われている「母性本能」という言葉はここでは完全に消え去り、

その存在すら疑わしくなる。

しかもそれは他人事でない気にさせてしまう力がこの小説に備わっている。








ネタが特にバレております!!!つながり読書 5 「火刑法廷」 ジョン・ディクスン・カー

2012-03-17 14:11:09 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
前回とのつながりは横溝正史が敬愛した作家・・・ということで。
年齢的には二人とも1900年初めの生まれであり同世代。

なかなか気合いのいる読書でした。

それでも最後までついていくことができたのは、新訳バージョンであったこと、
ミステリー的な部分とオカルトチックな部分両方を味わえる、という私にはあまり
経験のないタイプだったことが引き込まれた理由だと思われます。

でもミステリーを軸に読むと、マイルズ毒殺のからくり、遺体消失のからくりは
ちょっと物足りなく、オカルトを軸に読むと、第5部「評決」のわずかなページだけ
で急激に「なんでもありじゃーん」の世界に連れて行かれてしまう。

この2つの軸をつなぐため、つじつまが合うようによおく練られている感はある
のだけど、そのためにキャラの個性がちょっとつかみづらくなっている気もする。
(特にマーク・デスパード)

ぜひ映像化されたものが見たい!!!

毒殺魔ブランヴィリエ侯爵夫人の肖像、猫のブレスレット、ゴーダン・クロスが
かもし出す異様な雰囲気など、ぞぞぞぉとする怖さ
がアンティークな世界にうまく溶け込みそうな期待が持てる。








ネタが特にバレております!!!つながり読書 4 「獄門島」 横溝正史

2012-03-03 11:19:09 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
前回の作品とのつながりは、富士高原病院・結核治療がキーワードが二人の著者にあること。

横溝正史といえば、私の中ではやはり金田一耕介は石坂浩二。
チューリップ型の帽子に、もしゃもしゃの髪、フケ、画面はいつも薄暗く、
じっとりした日本家屋。。。そんなイメージだ。

さてこの「獄門島」。正直読み終えて何かスッキリしない。
話が長いので、たどってたどってたどってみる。

3姉妹が死ななくてはならないほどの理由がどこにあったのか?

そう。これだ。
本家の頼りにしていた跡継ぎの孫が戦死したら、もう一人の跡継ぎ候補のために

3姉妹(腹違いではあるが)を殺すという計画。理由、邪魔だから。。。

その計画を立てた嘉右衛門は3姉妹の母を超嫌っていた、という心情がプラスされている。

この凝った見立て殺人、という点から見るとこの↑心情によるものが大きかったことは

分かるけど。

そして第一の跡継ぎの千万太が死ぬ間際、妹たちが殺される危機にある、と金田一に救いを

求めるほどあの3姉妹に対する愛情があったのか?あの3姉妹の描かれ方を見ると、どうも

しっくりこない。


「獄門島」の歴代の配役が出ているページを発見。

かなり古いものと思われるが、分家で使われていた美少年の鵜飼役にピーター!

最高だ!ピーターしかいない!!