やむやむやみー

やみーのやむやむな毎日

つながっていない読書 「記憶する体」 伊藤亜紗

2019-12-17 08:23:32 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!









本当にこの方の視点はおもしろい。

「活字にする意味」を感じる本。

若いうちにこういう世界観を味わえたら、

人生の荒波も少し捉え方が違うかもしれない。

たとえ内容と同じ体を持っていなくても

思い通りにならないことはたくさんあるし、

いろんなことで傷つき、

いろんな痛みをみんな持っている。

そういうときの「工夫」こそが

アイデンティティをつくっている!と思う。




つながり読書156 「無名碑」 曽野綾子

2019-12-06 16:43:42 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!









前回、朱門さんの奥様、つながり。

随筆しか読んだことがなかった曽野綾子の作品。

今回の読書で「小説家ってこういう人のことをいうのだな」と

しみじみ思った。


読後はエンディングの衝撃からしばらく立ち直れないのだが、

道をつくろう、ダムをつくろう、と大きな仕事を成し遂げようとする人間でさえ

結局は大きな流れに漂っているだけだ、小説から受け取ったそんな視点から

見渡すことで、だんだんなじんでくる。



精神に支障をきたした容子の感覚の描写は

ゾッとした。

「自分はおかしいのではないか?」と

問うことさえできなくなったときの暴走。

人間の精神の複雑さを感じずにはいられない。