内田康夫の出身高校を同じく卒業している、つながりで冲方丁。
映画化された作品であるが、例によってキャスト調べず・・・と思ったら
文庫本の帯に岡田准一と宮崎あおいの写真が!
で、私の脳内キャストは・・・
算哲 岡田准一
えん 宮崎あおい
村瀬 伊原剛志
保科正之 緒形拳
山崎闇斎 武田鉄矢
酒井 堺雅人
さて、この小説の魅力はなんぞや。
ずばり、愛されキャラの算哲という人物、であるだろう。
生まれた家、という視点では、食い扶持に困ることなく
平穏な人生も送ることができたはずの算哲。
彼の情熱、愛情といってもいいほどの気持ちは数学に向いていて、
それ以外のことはかなり鈍い。重い刀の扱いに手こずり、時には置き忘れ、
豪傑な人の前ではいつ斬られるかと恐れ、自分の恋心にも気がつかず、
自分の悪口にはなんとなく納得し、よく分からぬ種類の魚を毎度買わされ、
悲しいこと、悔しいことには鼻水と涙でぐしょぐしょになってしまう・・・
(含む想像)そんなかわゆさが他の登場人物を惹きつける様子が、今度は
読者を惹きつける。
んーうまいっ!
この愛されキャラの人生をトントンとうまくいかせないところも絶妙。
えん、算哲ともに、結婚相手を亡くすあたりは、読者を裏切らない小説めいた部分で
あるが、あたかも自然の流れ、という感じで決して重くない。
「死者たちとともにあって、遺されたものをただひたすら背負い続けた。それが春海の
生涯だったといってもいい。」と、あるように、彼は多くの「死」という形の別れを経験する。
保科正之の死の場面で印象的だった一文。
「己の死を前にして、互いに歩んできた道のりを振り返ることができる。
そういう相手がいることこそ幸福だった。」
というわけで、囲碁に始まり、天文、改暦、と進んだ歴史的背景は、
私にとって完全なる「背景」であり、人物をどっぷり楽しめた小説となりました。
映画化された作品であるが、例によってキャスト調べず・・・と思ったら
文庫本の帯に岡田准一と宮崎あおいの写真が!
で、私の脳内キャストは・・・
算哲 岡田准一
えん 宮崎あおい
村瀬 伊原剛志
保科正之 緒形拳
山崎闇斎 武田鉄矢
酒井 堺雅人
さて、この小説の魅力はなんぞや。
ずばり、愛されキャラの算哲という人物、であるだろう。
生まれた家、という視点では、食い扶持に困ることなく
平穏な人生も送ることができたはずの算哲。
彼の情熱、愛情といってもいいほどの気持ちは数学に向いていて、
それ以外のことはかなり鈍い。重い刀の扱いに手こずり、時には置き忘れ、
豪傑な人の前ではいつ斬られるかと恐れ、自分の恋心にも気がつかず、
自分の悪口にはなんとなく納得し、よく分からぬ種類の魚を毎度買わされ、
悲しいこと、悔しいことには鼻水と涙でぐしょぐしょになってしまう・・・
(含む想像)そんなかわゆさが他の登場人物を惹きつける様子が、今度は
読者を惹きつける。
んーうまいっ!
この愛されキャラの人生をトントンとうまくいかせないところも絶妙。
えん、算哲ともに、結婚相手を亡くすあたりは、読者を裏切らない小説めいた部分で
あるが、あたかも自然の流れ、という感じで決して重くない。
「死者たちとともにあって、遺されたものをただひたすら背負い続けた。それが春海の
生涯だったといってもいい。」と、あるように、彼は多くの「死」という形の別れを経験する。
保科正之の死の場面で印象的だった一文。
「己の死を前にして、互いに歩んできた道のりを振り返ることができる。
そういう相手がいることこそ幸福だった。」
というわけで、囲碁に始まり、天文、改暦、と進んだ歴史的背景は、
私にとって完全なる「背景」であり、人物をどっぷり楽しめた小説となりました。