東野圭吾氏、高校時代の美術の教師が黒川博行だった、というつながり。
親交も深いらしい。
だれに聞かれたわけでもないけれど・・・東野圭吾の作品なら「容疑者Xの献身」の方が好き。
「秘密」の入れ替わり設定ってやつ自体が持つ、泣かせる効果がなじめない。
でも、そこのところただただ「泣かせりゃいい」と思っていない作者の「抑える技術」みたいな
ものもちょっと感じた。
素直に読んで、わーっと泣ければ(泣いたけど)、それでいいのかもしれないけど
妻、直子の行動というか精神というか、が、ここまでできるかなあ、という気持ちと、
最後そこまで用意周到なら時計屋のオヤジに口止めを頼んだりしないで、
平介に「おかあさんから指輪のこと聞いたんだ〜。身につけていたいからいいよね?
リメイクしても」って(藻奈美として)言うだろうなあ、と思ったり。。。
私が共感したのは平介中年を憂う、の図。
この年老いる、という感覚を同時に感じて生きることがやっぱり夫婦には不可欠
なのだろう。当たり前過ぎて気付かなかったけど。
今の意識を持ったまま、息子の体で人生をやり直すことになったら・・・
若い時あれやっとけばよかった、今ならもっとうまくできるのに、
と思うことを片っ端からやるだろう。
だけど・・・やっぱり夫のことをパパとは呼べない、気がする。