やむやむやみー

やみーのやむやむな毎日

つながり読書167 「終の住処」 磯崎憲一郎

2020-08-25 16:27:58 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
 

前回からは、老年期を思わせるタイトルつながり。
 
芥川賞受賞作品、というだけでケーカイする私。
 
情報ないまま読み始め、これは・・・もしかして・・・と
 
イヤな予感がしたまま読了。
 
同じニオイしかしない、書き下ろしの「ペナント」もつらかった。
 
こういうタイプの小説の存在を否定したいわけではないけど
 
仲良くするスキのなさに疲れてしまった。
 

つながり読書166 「おらおらでひとりいぐも」 若竹幸子

2020-08-23 09:57:00 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!

前回の、生死の境を題材にした作品からの
未亡人の視点へ、というつながり。
 
まず何かの受賞作品に対する私の警戒心は読んですぐに吹っ飛んだ。
 
こういう作品も芥川賞の対象になることを知って安心した。
 
テーマは「老後の孤独」。
 
主人公桃子さんの場合、未亡人であり、二人の子供ともギクシャク、
 
他人と積極的に関われない、体の衰えを感じる・・・
 
そういう環境での孤独。
 
桃子さんがその孤独を克服してしまうような、夢物語ではないところがいい。
 
実際そんな簡単なことじゃないのだろう。
 
ただ「桃子さんの考える桃子さんのしきたりでいい。おらはおらに従う。」
 
そう覚悟を決めたことが「おらおらでひとりいぐも」なのだと思う。
 
老いも死も孤独も、なにもかも知らないことを知るのは楽しいこと。
 
そう思わなくてはやっていけない、そんな老年期がこわい。
 
でも生き物として、私も最後までやってのけたい、という気にさせてくれた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

つながり読書165 「想像ラジオ」 いとうせいこう

2020-08-20 19:40:58 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
 


前回の燃え殻氏はテレビ業界の方。
で、今回はラジオ、というつながり。
 
みうらじゅん、仏像、たぶんすごく変わった人・・・
イメージのいとうせいこうが書いた小説。
 
そんな私の勝手なイメージを完全に裏返した。
ちょっとびっくり。
 
この世とあの世の間に流れているかもしれない
こんな時間。死はとても個人的なことであるけど
実はお仲間がたくさんいて・・・コミカルである
と同時に、世の中の「循環」を感じさせる。
 
作品終盤で出てきた
 
「山河草木、ふく風たつ浪の音までも、
 念仏ならずといふことなし」
 
(一遍上人)
 
隔たりはない、みんな一緒だよ〜
 
そんな安心感が、この小説にピッタリのセリフに聞こえた。
 
 
 

つながり読書164 「ボクたちはみんな大人になれなかった」 燃え殻

2020-08-16 17:41:42 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!

未練がましい中年男の成就しなかった恋愛の回想、と
まとめたら怒る人がいるかもしれない。
ワタシも怒る。
この作品の共感ポイントは、恋愛の感触を遠く懐かしむ、なのだから。
 
前回とのつながりは、世代というものをちょっとズームアウトして
捉えようという感覚つながり。
 
バブル崩壊前後の青春時代。どんな恋をしていたか?
 
著者が90年代というものを表現したかった、というような
(冗談らしいが)発言が載っていたこともあり、
 
テレビ業界の裏側や、派手なイベントや事件の描写は
当時の騒ぎを上からのぞいているような感覚で読むことができた。
 
 
 
 
 

つながり読書163 「新人類図鑑」 PART1,2 筑紫哲也編

2020-08-14 19:51:04 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
 


前回、「医龍」で感じた「世代交代」というキーワードつながり。
 
この本の記事が「朝日ジャーナル」に掲載されていた1985年に
 
さまざまな分野で先頭を走っていた人間の活躍を知った。
 
 
印象深く残ったインタビュー
 
☆木佐貫邦子(ダンサー)
 
「あたしは身体を通して自分の時間を見つけたいんですよね。
 中略
 それを簡単な言葉で言えば、丁寧にやらないと確かめられないんですよね。」
 
ゆっくりなダンスの理由についての発言。
とっても分かる気がする。
 
 
☆西和彦(エンジニア)
 
「自分の過去を毎日否定しながら生きるというのかな、
 そういうふうにやらなきゃいけないなという
 感じがする。」
 
「否定」するという表現を言い換えるなら
「進化する」かもしれない。
 
昨日の自分より進化する、
 
それを「毎日」
実行できなくても、
意識する、ことぐらいならできる???
 
 

つながり読書162 「医龍」 1~25 乃木坂太郎 (原案 永井明)

2020-08-06 17:47:00 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!
 


医療・バチスタつながり。
あっという間の25冊。
そして読後、また1巻から読み直したい!
 
というのも、登場人物たちの成長や、心が揺れ動く様子が
激しいので、最初の印象をもう一度
「ああ〜こんなだったよなあ」と思い返したくて
うずうずしてしまうのだ。
 
もともと医療系の海外ドラマや小説は好きなのだが
ただ天才外科医の足跡を追うだけではない、ごちゃごちゃした
人間の多面体を見せてくれるのが、この作品の魅力だ。
 
そして時々気味悪いほどに描かれる、人間の「悪」がにじむ表情。
これが画力ってものなのか。
 
世代交代は家庭でも、仕事場でも、あらゆる場所で繰り広げられている。
 
「受け継ぐ」ということをあらためて考えさせられた。