勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

虎の威を借る狐

2015-07-23 20:06:27 | Weblog
 早朝、肌をやさしく撫でるひんやりとした風に目覚める。梅雨が明けて猛暑と熱帯夜が続いていたここ数日、こんな爽やかな目覚めは久しぶりである。開け放した窓から部屋を通り抜ける涼風に身を委ねると、何故か身体いっぱいに幸せ感が湧いてくる。今日は仕事もOFF、のんびりとした気分からなのだろうか。特に充実した人生を送ってきたわけではないが、死ぬような苦しみを味わったこともない。2歳で終戦を迎えそれから70年、戦争のない平和な日本が続いて今がある。その平和な日本をアメリカに売り渡そうとする男がいる。己の無能さをアメリカという大国と、お金という力で日本を牛耳ろうとする経済界を笠に着る、身勝手極まりない卑怯な男である。

死んだ男の残したものは    倍賞千恵子

 虎に食われそうになった狐がいた。狐は虎に言った。「私は天帝に百獣の王に任命された。私を食べたら天帝の意にそむくことになるだろう。嘘だと思うなら、私について来い」。背後に虎を連れた狐を見た獣たちは皆逃げて行く。

 権勢の大国や大企業の威を借りて、力も能力もない愚か者が威張る様は、滑稽でしかない。ましてや平和憲法を踏みにじり、戦争へと舵を切ろうとする国の長は、卑怯な狐よりも愚かなひとりの人間である。詩人の谷川俊太郎さんは「死んだ男の残したものは」で詠う。


死んだ歴史の残したものは
輝く今日と
また来る明日

 僕は直接的ではないが戦争の悲劇を知る者のひとりとして、未来のためにも輝く今日とまた来る明日を守らなければならない義務がある。多くの犠牲の上に成り立っている輝く今日であるから。