ある霜の降りた朝、水仙の作り花を格子門の外から差し入れておいた者があった。誰のしたことか知るすべはなかったけれども、美登利は何故ともなく慕わしい思いがして、違い棚の一輪ざしに入れて淋しく清らかな姿をめでていたが、聞くともなしに伝え聞いたのは、そのあくる日は信如が例(僧)の学校に入り袖の色を替えてしまったまさに当日であった。
<河出文庫・現代語訳「たけくらべ」最終章より>
新しく生まれ変わった一葉記念館では、11月23日、結核のため24歳の若さでこの世を去った明治の作家「樋口一葉」の命日に因んで、「一葉祭」が開かれた。
一葉の名の由来は、達磨大師が、中国の揚子江を一葉の芦の葉に乗って下ったという故事に因んだという説があります。(一葉記念館HPを参考にしました)
お稚児さんによる記念植樹
力強い和太鼓演奏
記念撮影
「この年は三の酉まであって、中一日はつぶれたけれど前後の上天気におおとり神社の賑わいはすさまじく・・・」と『たけくらべ』の中で描かれた酉の市も、三の酉が28日に行われる。浅草はこれからの季節も忙しい。
2006.11.23