日本の食品はすでに世界で受け入れられていない。
チェルノブイリ産の農作物を誰も買わないのと同じだ。
われわれがかつて、「わざわざチェルノブイリの食品を買わなくても他にいくらでもある」と嗤った言葉がブーメランのように戻ってきた。
「市場に出ている食品は大丈夫」などと思っているのは善良な日本人だけだ。
東日本の食物はかなりのものが汚染されているはずだが、政府が(意図的に)調査しないので、作って良いのか、食べて良いのか、グレイなままになっている。
これが政府の狙いだ。いちいち補償する財源はない。
国は、食品に含まれるセシウムの暫定規制値を1キログラムあたり以下のように決めた。
飲料水 200ベクレル
牛 乳 200ベクレル
乳製品 200ベクレル
野菜類 500ベクレル
穀 類 500ベクレル
肉 類 500ベクレル
魚 類 500ベクレル
卵 500ベクレル
この基準値が決まったとき、全世界は言葉を失った。
たとえば、ドイツの規制値はすべての食べ物が、
子供 4ベクレルまで
大人 8ベクレルまで
と決められている。
日本では大人も子供も区別なく、200ベクレル〜500ベクレル。
この値は核戦争で食糧が枯渇し、とりあえず食べないと餓死する、という状況での基準だ。
それだけではない。
あり得ないほど高い基準値に加えて、現場では食べ物が無測定で売られ、しかも産地偽装もなされている。
世界は、「日本人は食から滅びる」と見ている。
政治家は外遊ついでに「日本の食べ物は安全です」とぶち上げ、失笑を買っている。
低線量被曝は確かに「直ちに影響はない」が、影響は20年後から現れる。
日本でどれだけがん患者が増えるか、どれだけ先天異常が増えるか、世界の医学者が注目している。
フクシマはチェルノブイリより程度が軽い、と思っているのは日本人だけである。